Lo-fi とは?“チルい”と称される人気音楽ジャンル、 Lo-fi HIP-HOP について紹介!

ジブリ風のアニメーションに、心地の良い音楽。そのような YouTube チャンネルを目にしたことはありますか?このようなコンテンツで使われている音楽は「Lofi HIP-HOP」と呼ばれています。歌が入っておらず、速すぎないテンポのため、作業の邪魔になりにくく BGM としても人気の高いジャンルです。 この記事では、Lo-fi という言葉が表す意味、そして Lofi HIP-HOP という音楽ジャンルについて解説していきます。あなたが好きな曲の正体を一緒に深堀っていきましょう。

Nami
Nami
・6min read

そもそも“Lo-fi ”とは

Lo-fi とは、Low-Fidelity(ロー・フィディリティ) の略称です。“忠実度が低い”という意味を持っており、音楽においては録音状態が悪く、低音質であることを指します。

具体的な音として、アナログ機材で録音や再生をした時に生じるノイズの混入や音の劣化などが挙げられるでしょう。例えば、レコードの溝に汚れや埃が付着することで“パチパチ”といったノイズが入る「プチノイズ」。また、カセット・テープやレコードで曲を再生した時に生じるピッチの揺らぎ「ワウ・フラッター」などが挙げられます。

その他にも、初期のサンプラーのサウンドとして、低サンプリングレート、低 bit 数な音質があり、演出として取り入れられています。

Lo-fi のどんなところに魅力を感じる?

a person is playing a record on a turntable
Photo by COSMOH / Unsplash

ノスタルジックさ

スタジオクオリティとして求められてきたのは、高い忠実度を意味する「Hi-Fi」のサウンドでした。一方で、 Lo-fi はその“不完全”な部分に魅力が見出されています。

デジタルが一般的になった現代では、音はかなり正確に再生できるようになりました。昔の機器ならではの歪みや不正確さは、人間らしい暖かみであったり“あの頃の音”といったノスタルジーさを感じる要素の一つとして考えられます。

DIY に感じる美学

家庭用の録音機材でレコーディングすることは、もちろん経済的な理由もありましたが、一方でミュージシャン自ら選択していく動きもありました。

DIY 精神で音楽を自主制作することで、より本質的な音楽の表現を求めたり、時には商業音楽への対抗文化として選択する側面もあったのです。
例えば、パンク・ロックやインディー・ロック、HIP-HOP など。このようなジャンルでは、インディーズやアマチュアのアーティストが自主制作を自ら望んで行うことも多く、カルチャーとして根付いていました。

このような背景から、Lo-fi の音楽は単なる音質の特徴ではなく、ひとつの音楽的な美学として捉えられる側面も持ち合わせています。

チルアウトミュージックとの関係

Lo-fi HIP-HOP は、80年代〜1990年代に発祥したチルアウトという音楽の流れを汲んでいるジャンルです。

チルアウトとは、名前の通り落ち着いてリラックスできる音楽であり、元々はクラブでテンポの早いメインルームで踊り疲れた人たちが、一時的に休める場所として「チルアウトルーム」なるものが設けられたことが起源と考えられています。

音楽的な定義は曖昧とされていますが、主に心拍数に近いゆったりとした BPM、アンビエンス的要素を含んだ穏やかなサウンドです。

Lo-fi HIP-HOP のパイオニア 

この章では、Lo-fi HIP-HOP のパイオニアである2大アーティストを紹介します。

Nujabes

1974年生まれの日本出身のアーティスト。「瀬葉 淳」というアーティスト名を後ろから並べて「Nujabes」として活動。DJ 、アーティスト、音楽プロデューサーとしても活躍し、さらに Hydeout Productions という音楽レーベルも立ち上げ、自身の作品もそこからリリースしている。

2004年にはアニメ「サムライチャンプルー」の音楽を担当し、世界中のリスナーに影響を与えた。この作品により Lo-fi HIP-HOP × 日本のアニメの概念が生まれたとも考えられている。彼は36歳の時に、交通事故によって若くしてこの世を去った。

J Dilla

1974年生まれのアメリカ出身のアーティスト。トラックメーカーとして、またラッパーとしても人気が高い。音楽プロデューサーとしても活躍し、エリカ・バドゥ(Erykah Badu)やカニエ・ウェスト(Kanye West)などのビートも手がけた功績がある。

彼のビートで特筆すべき点は、MPC を使用して生み出された、Dilla Time。ビートの概念を覆したこの手法は、他のアーティストに大きな影響を与えている。彼の最後の作品『Donuts』は、抱えていた病気と闘いながらも制作を続け、後世に残る名作として知られている。闘病の結果、彼もまた32歳という若さでなくなっている。

現代の Lo-fi HIP-HOP

現代においては、このジャンルの音楽として、2010年代以降にネット上で人気を獲得していったライブストリーミング型で配信されている「lofi girl」や「Chillpop Mudic」 などの YouTube チャンネルを想起する人も多いでしょう。

これらのチャンネルでは“Lo-fi HIP-HOP を動きの少ないアニメーションに合わせてひたすら流し続ける”といったコンテンツが人気です。
ループを基本として曲が展開されるため、勉強や仕事中に流すのにぴったりな BGM として扱われます。

このような音楽は、Nujabes や J Dilla などの Lo-fi HIP-HOP の音楽にインスパイアを受け、DTM で打ち込み主体のベッド・ルームポップとともに普及したとも考えられます。

COVID-19 によるパンデミックの際、おうち時間が増えたことにより、このような音楽の需要が高まりました。ブリタニカ・ジャパンによると、Googleにおける「lo-fi」の検索数は、2020 年1月から9月の間に85%も上昇したと記載されています。(参考:https://www.britannica.com/art/lo-fi-music)

lofi girl

Lo-fi HIP-HOP の代表格とも言えるYouTubeチャンネル。このチャンネルでは、ライブ配信で常にLo-fi の曲を流し続けており、勉強・作業BGM として活用している人も多いです。現在1580万人の登録者がいます。

Lofi Girl
Lofi House is now available! 🌇

Chillhop Music

こちらのチャンネルも lofi girl と同様に、主にライブ配信で Lo-fi HIP-HOP をはじめとしたリラックス系の音楽を提供している YouTube チャンネルです。アライグマのサムネイルが特徴的です。

Chillhop Music
Laidback beats for a more relaxed everyday life. 🎶 😊 ❘ Listen to our music on Spotify, Apple Music & other services → https://chillhop.ffm.to/listen.DXF All music and visual art in this video was created by talented, real humans, with no AI involved 🫶

Lo-fi HIP-HOP を作ってみよう

これまで紹介した特徴を踏まえて、Lo-fi HIP-HOP を作ってみましょう 。

今回は、Native Instruments や Steinberg が公開しているLo-fi HIP-HOP のHOW TO 記事も参考にしているため、ご興味がある方は合わせてご確認ください。

参考:https://www.steinberg.net/tutorials/create-lofi-music/
参考:https://blog.native-instruments.com/lo-fi-hip-hop-beats/

BPM

60〜90程度。今回は80で設定してみます。

コード進行

Nujabes や J Dilla が、ジャズやソウル、R&B などからサンプリングを行うことも多かったように、メロウでジャジーなコードが選択されがちです。ここでは、IM7-IVM7 のループで作成しています。

メロウなメロディーライン

シンセやギター、ピアノなどがよく使用されています。展開のあるメロディーというよりは、落ち着いた展開であることが好ましいです。

環境音 や PADシンセ

アンビエンス的な要素も、このジャンルを聞いてリラックスする要因の一つです。録音時などの環境音を演出したり、PADシンセを入れるのも良いでしょう。

今回は、Spliceで「shs_oat_ambience_animals_birds_mountain_river 」という素材を入れてみました。

サウンドメイク

Lo-fi を演出するために、エフェクターも駆使しましょう。アプローチの仕方は色々ありますが、ここでは今回使用したエフェクトの一部をご紹介します。

・EQで 高い成分を削ることで、Lo-fi を演出する。

・ワウ・フラッターを演出。Logic pro の標準サウンドのピアノに MIDI FX >Modulator >「LFO」でピッチの揺らぎを演出しています。

・サチュレーションで温かみのある音割れを演出する。Logic pro 標準プラグイン「Phat FX」にサチュレーションという項目があります。

・クリップディストーションも、サチュレーションを演出できるプラグインです。真空管特有の温かみのある音割れを演出できます。

サウンドプラグイン

・Lo-fi RC-20 Retro Color - XLN Audio 

・iZotope Vinyl

・Steinberg Lofi Piano 

今回は、エフェクトを使用して再現してみましたが、Lo-fiサウンドを再現するプラグインは、無料のものから有料のものまで、今やたくさんあります。

Lo-fi ならではの音の歪みやピッチの揺らぎ、またノイズ音を再現するのに最適です。


まとめ

今回は Lo-fi HIP-HOP について紹介しました。
日本でも根強い人気を獲得しているジャンルで、よく聴いているという方も多いのではないでしょうか。
現代では、Lo-fiサウンドを実現するプラグインも豊富で、 手軽にサウンドメイクが可能です。

ONLIVE Studio は、音楽クリエイターと音楽制作を依頼したい方を繋げるサービスです。BGM制作を得意とする音楽のクリエイターが登録されています。BGM制作を依頼したいという方は、ぜひ活用してください。

音楽のクリエイターに楽曲制作を依頼できる | ONLIVE Studio
音楽制作に特化したマッチングサービス。公開依頼でクリエイターから提案を受け取るか、クリエイターを検索して直接依頼。作詞・作曲・ミックス・レコーディングなど幅広く対応。
Nami
Written by
Nami

東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。

More from ONLIVE Studio blog

Register Now

ONLIVE Studio で
音楽制作しませんか?

プロフェッショナルに音楽制作のサポートを直接依頼できます!

登録プロフェッショナルも募集中!

ONLIVE Studio →