
ジャンル解説:ファンクとは?
ファンクは、1960年代後半にアメリカで確立され、1970〜80年代に黄金期を迎えた音楽ジャンルです。のちにディスコや HIP-HOP などにも大きな影響を与え、現代の音楽にもその特徴が受け継がれています。 そんなファンクの歴史を語るうえで欠かせないのが、ジェームス・ブラウンです。彼はファンクという音楽スタイルを築き上げ、その後の音楽シーンに多大な影響を与えました。 この記事では、ファンクとはどのような音楽なのか、その特徴や成り立ち、またジェームス・ブラウンの生い立ちにも触れながら、ファンクの解説をしたいと思います。
まずは聴いてみよう
ファンクの醍醐味は、聴いているだけで体を動かしたくなるような、熱量あるグルーヴです。
ファンクの概要〜どんな音楽?
ファンクを一言で表すならば、メロディーよりもリズムが前面に出た、グルーヴ重視のダンスミュージック。繰り返されるリズムには、ずっと聴いていたくなるような魅力と人々を踊らせる力を持っています。
ジャズや R&B、ソウル、ロックなどの音楽にルーツを持ちつつも、ファンクならではの進化を遂げ、その特徴はディスコをはじめとする、ループを主体とした音楽の形成にもつながりました。
ファンクで欠かせない人物は、ジェームス・ブラウンです。冒頭で紹介した楽曲「Get Up (I Feel Like Being A Sex Machine)」は、誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ジェームス・ブラウンはファンクという音楽を築き、広めたアーティストです。彼について、次章でもう少しご紹介します。
ファンクの創始者、ジェームス・ブラウン
貧困の中育った幼少期
ジェームス・ブラウンは、アメリカ・サウスカロライナ州で生まれ、幼少期をジョージア州で過ごしました。
幼い頃から音楽に興味があったジェームスですが、決して裕福な家庭ではなく、学校に着ていく服にも困るほど、厳しい生活を送っていたとのこと。
その後、窃盗の罪で逮捕され、15歳から約3年間、少年院で過ごすことになります。そんな彼が服役中に夢中になったのが、ゴスペルでした。
服役を経て、デビュー
ジェームス・ブラウンは服役中に、ゴスペル・グループでバンドリーダーとなり、周囲からも注目される存在になりました。出所後もゴスペル・グループを新たに組み、のちにキングレコードにてデビューを果たします。これが、彼のキャリアのスタートです。その後はソウル・シンガーとして着実にキャリアを積み上げ、人気を獲得。
ロックン・ロールの楽曲にもチャレンジし、リトル・リチャードの替え玉として出演したこともあるほど、当時から音楽の才能を発揮していました。
ファンクの形成
ゴスペル、ソウル、ロックン・ロール...さまざまな音楽を通ってきたジェームス・ブラウンですが、やがて自身の強みを活かそうと試行錯誤し始めます。
彼は、自身の強みはリズムにあると考え、リズムを追求していきました。そして、これまでにないビートや新しい音楽性を、音楽業界に送り込んでいきます。こうした音楽性が、ファンクという新たなジャンルを生み出したのです。
ファンクの形成を語るうえで重要な初期の楽曲として、1964年に発売されたジェームス・ブラウンの「Out of Sight」、1965年の「Papa's Got a Brand New Bag」、1967年の「Cold Sweat」などが挙げられます。
こうして、聴く人を踊らせることのできる、強烈なリズムを持った音楽「ファンク」が形作られていきました。
ジェームス・ブラウンが作り上げたファンクの特徴について、次章で具体的に見ていきましょう。
ファンクの特徴
とにかくリズム・グルーヴを重視!
ジェームス・ブラウンは、ドラムはもちろん、ホーンやギター、ベースなど、すべての楽器を打楽器のように捉えていたと語るほど、リズムを重視していました。
その中でも、彼のリズムに対する考え方として広く知られているものを、以下で紹介します。
全てのビートにフォーカス
ファンクが登場するまではバックビートが主流でしたが、1・2・3・4拍すべてを感じるようなビートに変化しました。
タイトなリズムで、このビートは後にディスコをはじめとするダンス・ミュージックの四つ打ちの先駆けとなりました。
16ビート
16ビートが広がったきっかけは、ファンクです。
それまでブラック・ミュージックはスウィングやシャッフルが主流でしたが、イーブンに演奏をする16ビートをジェームス・ブラウンは取り入れました。
また、現代ではカッティングと呼ばれるギターの刻みも、積極的に使われ始めたのはこの頃です。
THE ONE
ジェームス・ブラウンは一拍目を大切にしており、これがファンクが持つグルーヴのポイント “THE ONE” としても知られています。この拍を大切にすることが、全体のビートにも影響していると、ジェームス・ブラウンは考えました。
ループミュージックの先駆け
コード進行や曲の構成にも、それまでの音楽とは異なる特徴が見られました。シンプルなコード進行を繰り返すスタイルは、後のディスコや HIP-HOP、ハウスなど、ループを主体とする音楽にも影響を与えています。
シンプルなコード進行
モード・ジャズのコード進行に影響を受け、これまでのブルース進行から、動きの少ないコード進行に変化したことも、ファンクの特徴です。
ループさせる曲構成
これまではブルース進行が多かった中、コード進行も変化したことで、曲の構成も必然と変化しました。何小節も同じコードを繰り返す、この型破りなコードの運びはループ・ミュージックの先駆けとなりました。
まとめ
以上、今回はファンクについて紹介しました。
ファンクは、現代で耳にするさまざまな音楽に影響を与えています。
あなたが好きな曲やアーティストのパフォーマンスも、一見ファンクと関係がないように思えて、実はそのルーツを辿るとファンクにつながるかもしれません
ぜひ今回の記事の中で紹介した曲を合わせて聴いてみてください。

東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。







