
ポップス全般
Coachella(コーチェラ)at アメリカ・カリフォルニア
アメリカのカリフォルニア州の南、コーチェラ・バレーで毎年4月に開催される音楽フェスです。
開催当初は2日間の開催でしたが、現在は2週間に渡って合計6日間開催されています。
このフェスは1999年から20年以上続いており、ロック、HIP-HOP、最近では K-POP など、様々なジャンルのアーティストが集まります。今注目のフレッシュなアーティストからベテラン勢まで、幅広いラインナップも特徴です。
音楽はもちろんのこと、会場にはインスタレーション作品などのアートであったり、様々な種類のグルメを堪能できることも、来場の楽しみの一つです。
2025年のヘッドライナーは Lady Gaga(レディー・ガガ)、Green Day(グリーン・デイ)、Post Malone(ポスト・マローン) Travis Scott の(トラヴィス・スコット)と、豪華ラインナップ。
また、サプライズが多いのも Coachella の特徴で、当初予定になかった大物アーティストの出演が突然発表されたり、有名アーティストが別のアーティストを呼んで思わぬコラボレーションを行うこともあります。
2025年を例に挙げると、Benson Boone(ベンソン・ブーン)のステージでは Queen のギタリスト Brian May(ブライアン・メイ)を迎え、『Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディ)』を演奏。さらに Charli XCX(チャーリー・XCX)のステージでは Lorde(ロード)と Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)、Troye Sivan(トロイ・シヴァン)と共に『brat era』を披露したり...などなど。
豪華なコラボレーションやサプライズ登場は毎年来場者を湧かせています。
日本からも様々なアーティストが出演しており、2025年には XGが 、2024年には Number_i や YOASOBI、Awich、新しい学校のリーダーズ、初音ミsクが出場しています。
第一線のアーティスト達が集う、エンターテイメント大国アメリカで開催される、最大級フェス Coachella。
公式YouTubeチャンネルからステージの無料生配信が行われており、日本からでもライブを視聴することが可能です。
現地に行くのはなかなか難しいという方は、是非来年のコーチェラを YouTube で見てみるのはいかがでしょうか?
Glastonbury Festival(グラストンベリーフェスティバル)at イギリス・サマセット
イギリスのサマセット州ピルトンに位置する、Worthy Farm(ワージー・ファーム)で夏に開催される音楽フェスです。
広大な農場が開催場所となっており、自然に囲まれた中で音楽を楽しむことができます。
1970年から続く歴史あるフェスで、初回開催前日にギターの神様で知られる Jimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)がこの世を去ったことを受け、そのトリビュートの側面を持ちながら開催されました。
開催当時は時代的にもロックバンドの出演が多かったフェスですが、現在ではポップ、HIP-HOP などジャンルを問わず世界で第一線で活躍しているアーティストが集まり、Coachella に次ぐ大きなフェスティバルとして有名です。
2025年のヘッドライナーは、the 1975(ザ・ナインティーン・セブンティファイブ)、Neil Young(ニール・ヤング)、Olivia Rodrigo(オリヴィア・ロドリゴ)でした。
また、グラストンベリーという土地は、ケルト神話やアーサー王伝説との結びつき、さらにイギリス最古級の修道院があることから、神聖なパワースポットとしても有名です。これを理由に世界中から訪れる人も多いようです。
その土地にちなんでか、Glastonbury Festival の名物であるピラミッドステージは、グラストンベリーとストーンヘンジのレイライン(※)に設置されているんだとか。
このイベントは、チャリティ団体へ寄付を行うための資金集めにも取り組んでおり、NHS Somerset Charity や UNHCR をはじめとした、慈善団体に寄付を行っています。
これまでに590万ポンド (日本円でおよそ12億程度)もの寄付を行ってきたことが、Glastonbury Festivalのホームページに記載されています。
その他にも、2019年からは敷地内での使い捨てプラスチック使用を禁止するなど、環境保護の取り組みも進めています。
大規模な自然、ケルト神話にも登場する神聖な土地で、様々な音楽を楽しめるフェスです。
なお、農場という土地柄もあり、土地の休養のため、数年ごとに休催年が設けられます。
ちなみに、Glastonbury Festival は、日本の FUJI ROCK FESTIVAL のモデルになったフェスでもあります。
(※)古代の遺跡は地理的に直線上にあるという仮説があり、その直線のことを指す。
出典:Sunday in pictures|Glastonbury Festival
Rock in Rio(ロック・イン・リオ)in ブラジル・リオデジャネイロ
ブラジルのリオデジャネイロで不定期に開催されるフェスです。
本拠地はリオデジャネイロですが、ポルトガル・リスボンやスペイン・マドリードでも開催されたことがあり、現在までリオでの開催は10回、その他都市も合わせて合計19回開催されています。
初回の開催は1985年で、10日間にわたり開催され、AC/DC(エーシー・ディーシー)、Queen(クイーン)、YES(イエス)、Iron Maiden(アイアン・メイデン)、Rod Stewart(ロッド・スチュワート)など豪華アーティストが出演しました。
名前にもある通り、ロックバンドが多数出演するのが特徴でしたが、近年ではポップ路線のアーティストも多数出演しており、音楽の総合的なフェスとして楽しめます。
2024年のラインナップは、Mariah Carey(マライア・キャリー)や Travis Scott(トラヴィス・スコット)、Imagine Dragons(イマジン・ドラゴンズ)、Ed Sheeran(エド・シーラン)、Katy Perry(ケイティ・ペリー)、DJ Snake(ディージェイ・スネーク)など。また、開催40周年ということもあり、南米で活躍するアーティストが多数出演し、南米の音楽シーンを世界に紹介しました。
会場にはジェットコースターや観覧車などのアトラクション、食べ物、ゲーム...など様々なエンターテイメントがあり、一日中楽しむことができるでしょう。
このフェスで特に有名な演奏が、初回開催時に Queen が熱演した『Love of My Life』です。
約30万人の観客が集まり、『Love of My Life』を観客と大熱唱し、このステージは伝説的なライブとなりました。
また、Rock in Rio は社会貢献も活動的に行っています。
例えば、二酸化炭素の排出量を減らす取り組みとして、イベント終了後に会場で使われた資材を廃棄せず、希望する団体に譲渡し、再利用・再配布する仕組みを作るなど、環境に配慮した活動をしています。
そのような活動もあり、環境や経済、社会に与える影響を管理することで持続可能なイベントを実現するための国際標準規格(ISO 20121)の認証を2013年に取得し、サステナビリティなイベント運営として認められています。
その他有名音楽総合フェス
- Lollapalooza(ロラパルーザ)at アメリカ・イリノイ
- SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)at アメリカ・テキサス
- Splendour in the Grass(スプレンダー・イン・ザ・グラス)at オーストラリア・ニューサウスウェールズ
EDM
Tomorrowland(トゥモローランド)at ベルギー・アントワープ
毎年7月にベルギーのアントワープ州にあるブームで開催される、EDM 最大級のフェスです。
2005年から開催され、今年で20周年を迎えます。
数多くの有名 DJ が集まるため、世界中から来場者が集まり、チケットは毎年即完レベルなんだとか。
2025年には、Alok(アロック)、Amber Broos(アンバー・ブロース)、Charlotte De Witte(シャーロット・デ・ウィッテ)、Amelie Lens(アメリー・レンス)、Martin Garrix(マーティン・ギャリックス)、Swedish House Mafia(スウェディッシュ・ハウス・マフィア)、David Guetta(デヴィッド・ゲッタ)などが参加し、豪華メンバーが勢揃い。
また、このフェスは毎年テーマが設けられており、テーマに合わせた豪華で芸術的なステージ、装飾、照明、さらには花火、レーザーショーなどといった演出、このようなステージの世界観も没入感があると定評があります。
2025年のテーマは「Orbyz」。
(Tomorrowland より引用:)氷でできた魔法の世界を舞台に、巨大な氷冠の下に長年存在してきた隠れたコミュニティが解き放たれます。

同年にはこのテーマを基に作家と手を組み、書籍・コミック化しています。
伝説的なフェスが映画化するなどはありますが、フェスのテーマが書籍・コミック化とは、唯一無二の例なのでは?
BOOK THE SPIRIT OF LIFE - ENGLISH
Tomorrowland は全16ステージほどあり、メインステージに加え、何となくジャンル(トランス、エレクトロハウス、テックハウスなど...)で分かれているステージもあるため、聴きたいジャンルごとにも楽しめるようです。
また、チケットを購入すると、宝箱のような箱が自宅に届きます。
その中にはブレスレットが入っており、そこに Suica のようにお金をチャージをすることで、会場内でタッチ決済して物を購入することができます。余ったお金は返金されるようで、快適にフェスを楽しむことが可能です。
世界最大級の EDMフェスでありながら、フェスに行く前から、そして行った後まで!まテーマの世界観を楽しめる、そんなフェスです。
また、Tomorrowland はかっこいい After Movie にも定評があります。
このムービーを見たら、行ってみたくなること間違いなし!
その他有名EDMフェス
- EDC Las Vegas (イーディーシー・ラスベガス)at アメリカ・ネバダ
- Ultra Music Festival Miami(ウルトラ・ミュージック・フェスティバル・マイアミ)at アメリカ・フロリダ
JAZZ
Montreux JAZZ Festival(モントルー・ジャズ・フェスティバル)at スイス・ヴォー
スイスのヴォー州にあるモントルーで夏に毎年開催されるフェスです。出演者はジャズやソウル、ブルースが中心ですが、最近はロック、ポップス、HIP-HOPも取り入れており、様々なジャンルを楽しむことができます。
2025年には、Chaka Khan(チャカ・カーン)や Neil Young(ニール・ヤング)、Diana Ross(ダイアナ・ロス)、Benson Boone(ベンソン・ブーン)、Raye(レイ)などが登場し、大御所アーティストから、今注目の若手まで押さえられたラインナップです。日本からは藤井風も出演しました。
11ステージ中6ステージはなんと無料...!フラッと立ち寄り気ままに音楽を楽しむことができます。
メインステージであるレイクステージ、カジノステージは有料です。
このフェスの初年度は1967年で、歴史のあるフェスです。
これまでにNina Simone(ニーナ・シモン)や Elton John(エルトン・ジョン)、Prince(プリンス)、Deep Purple(ディープ・パープル)など伝説的なアーティストが出演。
数々の歴史的なライブが繰り広げられてきた舞台となっています。
Bill Evans(ビル・エヴァンス)が Montreux Jazz Festival での演奏を収録し1968年にリリースした『At The Montreux』は、グラミー賞を受賞し、このフェスを一躍有名にさせました。
他にも、Deep Purple の名盤『somoke on the water』は、1971年にカジノステージで演奏していた Frank Zappa(フランク・ザッパ)のコンサート中に起きた火災をもとに、作られたと言われています。
さらに、アルプス山脈とレマン湖に挟まれたその立地も、魅力の一つです。
昨年できたメインステージ「レイクステージ」では、綺麗な湖をバックに演奏を楽しめる、なんとも素敵なロケーションです。
レイクハウスでは、ジャムセッションが見れることも大きな特徴です。
プロからアマチュアまで参加するこのこのセッションは、深夜から翌日の朝まで行われ、有名なミュージシャンが来ることもしばしば。夢の共演が見れるかもしれません。
また、本拠地スイス以外でもサンパウロ、デトロイト、アトランタ、シンガポール、モナコ、そして現在は東京、マイアミ、蘇州など世界中で行われています。
その他有名JAZZフェス
- New Orleans Jazz & Heritage Festival(ニューオーリンズ・ジャズ & ヘリテッジ・フェスティバル)at アメリカ・ルイジアナ
まとめ
以上、今回は世界のビッグフェスティバルをご紹介しました。
世界最大級となると、そのフェス期間中エリア一帯がまるでテーマパークのようですね。
また、Rock in Rioでの Queen の『Love of My Life』や Montreux JAZZ Festival での Bill Evans の『At The Montreux』など、歴史に残る演奏が生まれるのもフェスの良いところです。そんな歴史的なパフォーマンスに遭遇できたら最高ですよね。
フェスでは美味しいフードもあったり、その土地の自然も楽しめると思うので、海外旅行も含めて是非足を運んでみてはいかがでしょうか。

東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。