※本記事で紹介する楽曲の解説は、筆者独自の解釈に基づくものです。
カウンター・メロディとは?
カウンター・メロディ(counter melody)とは、主旋律と同時に演奏される、もう一つのメロディーのことです。カウンター(counter)は、日本語で「対抗する、反対の」という意味で、主旋律を彩る独立したメロディーとして考えられます。
カウンター・メロディがあることで、どのようなサウンドになるのか、実際に聴いてみましょう。以下の曲では、43秒あたりから、ボーカルが別々の旋律で歌い始めています。それぞれ独立しつつも、綺麗に調和しています。
どんな楽器に使える?
旋律を奏でることができる楽器であれば、どのパートでも取り入れることができます。
- 歌ものポップスのストリングス
- ボーカルのコーラス
- ベースのメロディー
- その他楽器のアレンジ …etc
サビのストリングスが、歌のメロディーのカウンター・メロディーとして機能しています。歌のメロディーが主役になるよう、壮大に盛り上げつつも、一つの旋律として別々の動きをしています。
カウンター・メロディを作る時に意識したいこと
この章では、カウンター・メロディを作る際に意識したいポイントを紹介します。
①単体で演奏しても、メロディーとして成立する
カウンター・メロディのみで再生しても、一つの独立したメロディーとなっているのが特徴です。
②主旋律を邪魔しない
複数のメロディが同時に存在すると、音がごちゃついてしまう可能性があります。主旋律を主役としながらも、名脇役として機能するのがカウンターメロディとなります。
そのために抑えたいポイントは、以下の3つ。
音域
主旋律と同じ音域だと、メロディー同士が混ざって聞こえる可能性があります。近い音域でカウンター・メロディを作成する場合は、音色やリズムを変えるなど、その他の要素をより意識して作成する必要があります。
リズム
リズムが同じだと、独立したメロディーとして感じにくいです。
どちらかの動きが少ない場合は、どちらかが動いていたり、またメロディーのキャラクターを変えることで、それぞれのメロディーが絡み合い、奥行きのあるサウンドに繋がります。

音色
近い音域の場合でも、音色が違うだけでサウンドの棲み分けが可能な場合もあります。
③コードを意識する
ポップス曲では、コード進行が楽曲の基盤を作っています。
そのため、強拍の箇所や長いメロディを持ってくる場合は、伴奏のコード進行のコード・トーンを意識すると、伴奏と調和しやすいです。
④メロディーの方向性
メロディーのリズムが同じ場合は、メロディーの動く方向性を意識してみましょう。その考え方として、「並行」と「反行」という言葉があります。
並行は、文字通りカウンター・メロディと主旋律のメロディーラインが並行に動くことです。一方で、反行は、片方のメロディが上がったら、もう片方のメロディは下がり、反比例のように動くことを指します。
知っておきたい「テクスチュア」の話
現代のポップスでは、多くの曲では歌のメロディーを主役とし、ほかの楽器が伴奏としてそれを支えています。このように、主役となるメロディーを伴奏が支える音楽の構成を「ホモフォニー」といいます。現代のポップスでよく見られるスタイルです。
一方で、複数のメロディーがそれぞれ独立して進行する音楽の構成を「ポリフォニー」といいます。クラシック音楽では、フーガやカノンなどが代表例です。
ポリフォニーの例
ホモフォニーやポリフォニーなど、音と音の重ね方のことをテクスチュアといいます。現代のポップスの多くは、ホモフォニーを基本としながらも、様々なテクスチュアを取り入れて作られています。
今回ご紹介したカウンター・メロディーは、ポリフォニー的な要素と言えるでしょう。
(※このほかにも、テクスチュアにはひとつのメロディーを中心とする「モノフォニー」や、同じメロディーを複数の演奏者が少しずつ変化させながら演奏する「ヘテロフォニー」などがあります。)
番外編:対位法について
「対位法」という言葉を聞いたことはありますか?
対位法は、ポリフォニーを作るための作曲手法の一つです。
対位法は、それぞれ独立した複数のメロディーで、一つの音楽として調和させていく技法です。その歴史は古く、クラシック音楽の時代区分で言うと、ルネサンス期にはすでに発展していました。
対位法を語るうえで欠かせない作曲家の一人が、バッハです。彼はその技法を使い『平均律クラヴィーア曲集』をはじめとした様々な作品を世に残しています。
クラシック音楽の対位法においては色々な規則がありますが、ポップスにおいては、ジャンルや楽曲の雰囲気に合わせて、より自由に作ることができます。
ポップスのカウンター・メロディを作るにあたって、必ずしも必要な知識ではありません。ですが対位法を学ぶことでメインメロディーとの音程の関係や、旋律同士の動かし方について理解が深まり、表現の幅を広げることにもつながるでしょう。
まとめ
今回は、カウンターメロディについて紹介しました。
カウンター・メロディという要素で曲を彩ることで、これまでとは違った表現ができるかもしれません。この記事を参考に、是非あなたの曲に取り入れてみてはいかがでしょうか?
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東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。








