
国内
Tiny Desk JAPAN
Tiny Desk JAPAN とは、後述するアメリカの人気Youtubeコンテンツ“Tiny Desk Concerts”の日本バージョンです。オリジナルの運営元であるNPR からNHK がライセンス供与を受け、2024年より制作が開始されました。
初回のゲストは藤井風。一部の音楽ファンは “藤井風が Tiny Desk に出ている!?”と話題になり、そのパフォーマンスに賞賛が集まりました。
これまでに出演したアーティストは、yama やちゃんみな、ASKA 、稲葉浩志、やのとあがつま、梶浦由記など。
令和を代表するアーティストだけでなく、日本が誇る実力派のアーティストたちです。
Tiny Desk JAPAN での演奏は、本家と同様に、なるべく生演奏に近づけて演奏されます。つまり、オートチューンやリバーブがかかっていないのです。
Tiny Desk Concerts を日本でやるという、この挑戦的な試みは“日本の音楽を世界にもっと知ってもらえる機会になるのでは”と期待の声や、“このような演奏を求めていた!”というファンからの反響もあり評判です。
テレビの歌番組ではなかなか見られないアーティストも出演しており、わくわくするコンテンツですね。
THE FIRST TAKE
Sony Music Labels Inc. が運営する、一発録りでパフォーマンスをするチャンネルです。
2019年にスタートしたこのチャンネルは彗星のごとく登場し、YOASOBI や 優里、女王蜂 など人気アーティストの動画が次々にバズを生みました。2026年現在、1億回再生を超える動画はなんと6本もあります。
真っ白な異質な空間と、“一発録り”という制約の中で行われるパフォーマンスは独特な緊張感があり、視聴者としても聴き入ってしまいますね。
若手アーティストだけでなくレジェンドクラスのミュージシャン、VTuber、K-POP や海外アーティスト、さらにはお笑い芸人も過去に出演しています。
さらに令和のヒット曲だけでなく、平成・昭和の名曲も演奏されているので、Z世代以外の視聴者は懐かしさを感じることができたり、世代を超えて名曲が広がるきっかけにもなっています。
KANA-BOON のボーカルである谷口鮪と、ネクライトーキーのボーカルであるもっさが歌う「ないものねだり」の回は、谷口鮪が歌い遅れてしまう瞬間もありましたが、リスナーからは“むしろレアで嬉しい”と評判な回です。一発録りならではの空気感と、相性抜群で楽しそうに歌う2人の歌声が楽しめます。
With ensemble
With ensemble は、アーティストの楽曲をアンサンブルと共に楽しめるチャンネルです。
プロデューサーは、ヴァイオリニスト、そしてmillennium parade のメンバーとして活躍する常田俊太郎。運営は THE FIRST TAKE も手がける THE FIRST TIMES によって行われています。
このチャンネルでは名前の通り、ピアノやストリングス、ホーンなどの生楽器による豪華アンサンブルで、楽曲を楽しむことができます。
例えば、yama「春を告げる」や加藤ミリヤ「SAYONARAベイベー」など、原曲が電子音楽中心の楽曲は特に原曲とのギャップを感じられて、別の曲みたいです。
原曲とは異なる新たな表情を楽しめるのも、このチャンネルの面白さです。
blackboard -One Cut Live Show-
blackboard -One Cut Live Show- は、“エンタメをタクラム、ハコ”をコンセプトに、ジャンルを問わずアーティストのパフォーマンスを届ける YouTubeチャンネルです。
特徴的なのは、巨大な LEDパネル。歌詞とともに映像が映し出されるといった印象的な空間を作り上げています。
MTV PUSH Presents FUTURE ICONS という、MTVJapan による新人発掘番組ともコラボしており、blackboard の出演者の多くは、新進気鋭の注目アーティストの演奏を楽しむことができます。
また、SNS出身のアーティストもいち早く取り上げているのも特筆すべき点です。例えば、日常の「あるある」をユーモアたっぷりに歌い上げるなかねかなや、「魔法の絨毯」で大ヒットした川崎鷹也、TikTok や YouTube で人気を獲得しているもさを。なども、このチャンネルに出演しています。
レッドブルマイク
レッドブルが主催する、ジャパニーズ・ヒップホップに特化したラップパフォーマンスチャンネルです。
このチャンネルでは、ヒップホップならではのさまざまなパフォーマンス企画を楽しむことができます。
例えば、選ばれたラッパーたちがノーカットでマイクリレーを行う Red Bull RASEN。同じビートでマイクをつなぎますが、ラッパーごとにリリックやフローののせ方が異なり、聴いていて面白いです。
Awich、Tsubaki、OZworld、CHICO CARLITO といった沖縄出身のラッパーたちによる回では、沖縄ならではのリリックやフローが披露され、それぞれの個性がぶつかり合うマイクリレーが楽しめます。
また、日本のヒップホップを牽引してきたレジェンド Zeebra のキュレーションによって始動した Red Bull 64 Bars も人気です。
ラッパーが64小節のロングヴァースを一発録りで披露するシンプルな企画ながら、ラッパーのスキルや表現力をダイレクトに楽しめるのが魅力です。
Spincoaster
音楽メディアや Music bar を運営する Spincoaster の YouTubeチャンネルです。このチャンネルのシリーズの一つである TOKYO SOUNDS では、インディーズ・アーティストのパフォーマンスを楽しむことができます。
ライブセッションでは、多くのライブが立体音響を実現するバイノーマル録音によってレコーディングされています。
そのため、イヤホンやヘッドフォンで聴くと、あたかもそこの空間で音楽を聴いているような没入感で音楽を楽しめるのが魅力的です。
世間的にはまだ名前はしれていないけど、知る人ぞ知る、国内外問わず数々の新鋭アーティストのライブを楽しむことができます。
“こんなアーティストがいたんだ!”と新たな発見があるかもしれません。
海外
NPR Music Tiny Desk Concerts
Tiny Desk Concerts(タイニー・デスク・コンサート)は、アメリカのラジオ局である NPR が運営する、世界的に絶大な人気を誇るライブコンサートチャンネルです。
コンサートというと、通常は大掛かりなセットや派手な照明をイメージしますが、このチャンネルでは“Tiny Desk(小さな机)”の名前の通り、会場はなんと NPR 本部オフィスの一角で行います。
この斬新なコンセプトは、NPR のチームメンバーが SXSW(※)で行われたLaura Gibson (ローラ・ギブソン)のライブを見た後、その音がとても小さくて聴こえなかったことから、“彼女を自分たちのオフィスに呼んで演奏して貰えば良んじゃない?”という冗談から始まったと、ホストである Robin Hilton(ロビン・ヒルトン) は言います。
また、会場だけではありません。リバーブやオートチューン、さらには会場用にマイクのゲインも使用しないとのこと。そのため、アーティストたちはほぼ生音に近い状態でパフォーマンスすることになります。
特に、ラッパーのアコースティックライブはあまりイメージがない方も多いのではないでしょうか。ここでは Migos(ミーゴス)や Mac Miller(マック・ミラー)、 Megan Thee Stallion(ミーガン・ジー・スタリオン)など多くのラッパーもパフォーマンスをしていて、普段と違った魅力を感じられるのでおすすめです。
(※)毎年アメリカのテキサスで開催される、音楽や映画、IT などといった分野のショーケース・イベント。
COLORS
COLORS は、ドイツの音楽プラットフォームである COLORSxSTUDIOS が運営するライブパフォーマンスチャンネルです。
“All COLORS, no genres.”(訳:すべては色、ジャンルはない)というキャッチコピーのもと、アーティスト自身の個性を尊重するようなコンセプトとなっています。
アーティストのパフォーマンスに集中できるよう、演奏の場となるステージは、単色の背景に照明というシンプル且つミニマル。その視覚的なインパクトから Instagram や TikTok でも目につきやすく、拡散されることも多いです。
また、注目の新人アーティストも多くプレイしており、例えば、Doja cat(ドジャ・キャット)は2020年に「Say so」で世界的ヒットを飛ばしますが、その前年に COLORS に出演しています。爆発的なブレイク前にあのアーティストがパフォーマンスしていた!なんてとのこともあり、新人のショーケース的ポジションとしても楽しめるチャンネルです。
BBCRadio1VEVO
BBCRadio1VEVO は、イギリスのラジオ局である BBCRadio1 が運営する、ライブパフォーマンスチャンネルです。
このチャンネルでは、BBCRadio1 の人気番組“Live Lounge”で行うアーティストのパフォーマンスを見ることができます。
Live Lounge では、人気アーティストが自身のオリジナル楽曲を披露するだけでなく、他アーティストの楽曲をカバーすることが定番となっており、思いもよらない組み合わせや斬新なアレンジが生まれるのが魅力です。
例えば、Harry Styles(ハリー・スタイルズ)による Lizzo(リゾ)「Juie」、Sam Smith(サム・スミス)と Discloser(ディスクロージャー)による Drake(ドレイク)「Hotline Bling」など、原曲とは異なる面白いアレンジになっています。
Audiotree
Audiotree は、アメリカのシカゴを拠点にするレーベル Audiotree が運営する、ライブセッション・パフォーマンスチャンネルです。
このチャンネルでは様々なジャンルのインディーズ・アーティストのライブセッションを楽しむことができます。
Audiotree 自体は、Adam Thurston (アダム・サーストン)と、シカゴのエンジニアである Michael Johnston(マイケル・ジョンストン)によって立ち上げられました。
この事業は、インディーズ・アーティストを支援することを目的として始まったという背景があり、YouTube の収益もアーティストと折半することで、アーティストにとっても新たな収入源となっているのだとか。
自社のスタジオでエンジニアたちによってレコーディングされたライブパフォーマンスを撮影しているため、高いクオリティのサウンドを楽しむことができます。
また、インディーズ・アーティストの“登竜門”的なポジションとして、実力派のエッジが効いたパフォーマンスが楽しめるのも魅力的で、例えば Shakey Graves(シェイキー・グレイヴス)というアーティストはスーツケースを改造したドラムとギター、そして歌唱力で、4458万回再生されています。
他にも、スタジオを飛び出して、ガレージや歴史的記念霊廟などといったユニークな場所で演奏を行う Far Outシリーズも見応えがありおすすめです。
Power 106 Los Angeles
Power 106 は、アメリカ・ロサンゼルスにあるヒップホップラジオ局の YouTubeチャンネルです。
ヒップホップシーンの最新情報やインタビュー、ライブパフォーマンスなど、さまざまなコンテンツを発信しています。
なかでも人気のコンテンツが、“L.A. Leakers Freestyle”というシリーズ。
これは、Justin Credible(ジャスティン・クレディブル)と DJ Sourmilk(DJサワーミルク) の2人からなる DJチーム“L.A. Leakers”がホストを務め、ラッパーたちがその場でフリースタイルラップを披露するというものです。
ここで行われるフリースタイルは、ラッパーたちのスキルを証明する場としても知られ、Central Cee(セントラル・シー)、Snoop Dogg(スヌープ・ドッグ) など、数多くの有名ラッパーが出演しています。
スタジオというシンプルな空間で、ラッパーの実力がダイレクトに伝わるところが、このシリーズの大きな魅力です。
特に、現代ヒップホップ界の“BIG3”の一人と称される J. Cole が出演した回は、その圧倒的なスキルが話題となり、伝説的な回として多くの再生回数を記録しています。
まとめ
以上、今回は YouTube で見られるアーティストのパフォーマンスチャンネルを紹介しました。
ライブでは音源とはまた違った魅力が感じられて、アーティストの表現力はすごいなと改めて感じます。
実際のライブはさらに熱量を感じられる場です。今回紹介したYoutubeチャンネルでパフォーマンスを見て、魅力的に感じたアーティストがいたら、ぜひライブに足を運んでみてはいかがでしょうか?

東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。







