レコーディングのプロセスをご紹介!

今や、音楽制作も打ち込み音源を使用し、PC1台で完結出来るようになっています。 しかし、ライブ感のある音や実際の演奏だからこそ出てくる奥行き、打ち込み音源だけでは出せない響き等、アナログならではの良さもたくさんあります。 今回は実際の演奏を収録し楽曲を作り上げる、従来のレコーディングプロセスをご紹介します。

asu
2023-06-024min read

レコーディングとは?

音楽制作におけるレコーディングとは、ミュージシャンによる演奏やボーカリストの歌唱を、出来る限りハイクオリティーに録音することです。

シンプルに録音といっても様々な種類があります。自宅で録音機材を使用して演奏をPC等に取り込むことから、数十万円〜数百万円するような高価な機材が設置されているスタジオを借りて収録することまで、幅広くレコーディングといえます。

しかし、やはり製品化するなど、アーティストとして作品を世に送り出すには1つ1つの音を綺麗に作り上げたいですよね。そこで、音楽専用のスタジオを使用してレコーディングを行います。

この工程で意識すべき大切なことは大きく2つあります。

1.イメージ通りの音を出すこと
2.最高の演奏(歌唱)をすること

この2つをきちんと遂行するために必要なことを、ご紹介します。


準備編

プリプロダクションについて

レコーディングでイメージ通りの音を出すためには、まずは「どんな音を録音するか」を決める必要があります。

音楽には歌詞、楽器のフレーズ、アンサンブルなどさまざまなクリエイティブなアイデアが詰め込まれていますよね。もちろん、たくさん詰め込めば良いというものではなく、その曲に最適なアイデアを選定する必要があります。ここが面白いところでもありアーティストが悩むところでもあります。

アイデアの良し悪しを判断するには実際に聞いてみるのが一番。簡易的に収録してみて、色々なパターンを聴き比べ、アイデアの整理を行います。

こうしたアイデアの整理作業のことを、「プリプロダクション」といいます。略称で「プリプロ」と呼ばれることもあります。

このプリプロダクションで曲のアイデアが固まったら、自ずと「どんな音を録音するべきか」が決まってきます。

そうすると、いよいよレコーディングへと進みます。

プリプロダクションで入念に曲の録音するべきアイデアを固めておかないと、本番のレコーディング時に全体のバランスが保てなかったり、そもそも良いテイクを録音できているかどうかの正解基準が分からなくなってしまいます。


レコーディングスタジオの選び方

収録する音のイメージが固まったら、実際にレコーディングを行うスタジオを予約しましょう。スタジオにも様々な種類があり、たくさんの情報が溢れているため、初めての方は選ぶのに困ってしまいますよね。

最も重要なことは、「録音したい音が録音できるか?」ということです。

以下に、スタジオ選びのポイントをいくつかご紹介します。

部屋のスケール

例えば、オーケストラを取りたいのに、部屋が分かれてしまっていてはアンサンブルを録音することはできません。スタジオ選定には、広さ、高さ、部屋の形が関わってきます。レコーディングする際の状況を具体化し、それを実現するためのキャパシティがある部屋のスタジオを選びましょう。

置いてある機材の種類

自身の楽器や機材の持ち込みは行いますが、スタジオに置いてある機材のスペックによってレコーディングの質が左右されることもあります。設置してあるモニタースピーカーなどの情報が公開されていれば、事前に確認してみましょう。また、もしそこでレコーディングしたことがある知り合いがいれば、その際の音源などを試聴させてもらうと、そのスタジオでどんな音が録音できそうか?がイメージ出来るはずです。

エンジニアについて

収録をサポートしてくれるエンジニアは、レコーディングに大きく影響します。中でも、イメージを理解してくれるエンジニアならスムーズに収録出来ますし、仕上がりにも安心感があります。スタジオと合わせて依頼をすることも多いですが、音楽活動をしている知人に紹介してもらうなどの方法もあります。音楽活動を通じて、色々なエンジニアとコミニュケーションを取っておくと良いでしょう。また、スタジオと別でエンジニアに依頼する場合は、エンジニアのセンスが活かされるスタジオ環境がそこにあるかがスタジオ選びの基準になることもあります。

練習

レコーディングの準備で忙しく、練習の時間が取れないことがよくあります。しかし、良いテイクを録音するためには、レコーディングまでにしっかり練習をしておくことがとても重要です。。ミキシングで後からピッチを合わせることなどは可能ですが、それを前提にしていてはスムーズなレコーディングはできません。レコーディング当日に自分の実力を存分に発揮し、素晴らしい演奏・歌唱を録音して良い音源制作に繋げていきましょう。

レコーディング前の打ち合わせ

プリプロダクションで制作した音源をメンバー全員で確認しておきます。全体でどのようなイメージになるのか練習や打ち合わせで確認しておきましょう。

まとめると、やはり最も重要なことは「録音したい音が録音できるか?」ということです。もちろん使用してみて現場で初めて分かることもたくさんあります。楽曲作りを通じて、スタジオの使い方もあなたなりのノウハウを見つけていきましょう。

レコーディングの実際の手順

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楽器のセッティング

スタジオに入ったら楽器と機材をセッティングします。マイクの位置などは録音に大きく関係するので、エンジニアさんとコミニュケーションを取りながら進めましょう。ヘッドフォンをつけて、クリックの音や自身の演奏の返り音、合わせる楽曲など、モニター環境を調整します。

テイクの録音

セッティングが終わったら、いよいよテイクの録音です。一般的には、リズムに関わるドラムから録り始めることが多いです。その後、いわゆる上物と呼ばれる楽器の順番で録音を進めていきます。例えば、バンドでのレコーディングの場合には以下のような順番で行います。

  • ドラム
  • ベース
  • リズムギター
  • リードギター
  • キーボード
  • ボーカル

もちろん楽曲によって順番はそれぞれですし、メンバーの予定によって前後することも多々あります。数日に渡ってレコーディングする場合もあります。

確認

テイクが撮れたら、適宜確認作業とベストテイクの選定を行います。全ての必要なテイクの録音が終わったら、ミックスエンジニアにお渡しするデータの整理を行って、レコーディングデータの完成です。

レコーディングの注意点

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レコーディングで「最高の演奏(歌唱)をする」ためには、様々なことに気を配る必要があります。主な注意点をご紹介します。

プレイヤーのコンディション

レコーディングは長時間に及ぶこともあります。集中力の保ち方や、気分の乗り方も演奏に影響するため、それぞれのコンディションに気を配りながらレコーディングを進めると良いでしょう。特にボーカルは、体調と歌唱が直結しているため、充分配慮する必要があります。

機材のトラブル対策

音楽関係の機材は繊細で、修理用パーツは入手しづらく、トラブルがあってもすぐに解決できないこともあります。スティック、電池、弦など、予備の消耗品や、自身の機材は多めに持っていくと安心です。

時間管理

スタジオやエンジニアの予約時間には制限があります。3分の楽曲でも、メンバー全員が演奏する時間はもちろん、それを確認するのにもそれぞれ3分必要です。余裕を持って予約時間を設定しておきましょう。スケジュールが厳しい場合は、あらかじめ録音する部分や楽器の順番を決め、しっかりとタイムマネジメントを行いましょう。

スタジオマナー

気持ちよく収録するためには、スタジオマナーを守ることは鉄則です。エンジニアも人間。スタジオに入る際の挨拶はもちろん、設置してある機材や設備を丁寧に使うなどに気を配ることから、信頼が生まれます。

まとめ

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以上、スタジオレコーディングの一例をご紹介しました。一口にレコーディングといっても千差万別。また、近年では、DTMで作成した楽曲の一部のみレコーディングした音源に差し替え、ミックスして制作する方法もあります。

楽曲や理想の音によって、レコーディング方法は変化します。何度も楽曲作りを経験してみて、あなたにとってベストな方法を確立していきましょう。

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asu

5歳の頃にピアノを始め、鍵盤や打楽器に触れる。 学生時代はヒットチャートを中心に音楽を聴いてきたが、 高校生の頃にラジオ番組を聴くのが習慣になり、 次第にジャンルを問わず音楽への興味を持つようになる。 野外フェスや音楽イベントへ通い、ライブの持つパワーや生音の素晴らしさを実感。 現在はピアノと合わせてウクレレを練習している。 弾き語りが出来るようになるのが目下の目標。

監修

Masato Tashiro

プロフェッショナルとして音楽業界に20年のキャリアを持ち、ライブハウスの店長経験を経て、 2004年にavexに転職。以降、マネージャーとして、アーティストに関わる様々なプロフェッショナルとの業務をこなし、 音楽/映像/ライブ/イベントなどの企画制作、マーケティング戦略など、 音楽業界における様々な制作プロセスに精通している。 現在はコンサルタントとして様々なプロジェクトのサポートを行っている。

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