ドリーム・コアとは?
ドリーム・コアは、SNS で人気を集めている、アートジャンルの一つです。
幼い頃に見たことのあるような景色、懐かしさから生まれるノスタルジーや曖昧さ、夢のような幻想感。それらに、どこか寂しさや孤独、違和感、不安といった感情が組み合わさっているのが、ドリーム・コアの大きな特徴と言えます。
画像、もしくは動画に音楽をつけて表現されます。
ドリーム・コアを感じるビジュアル
リミナル・スペース
リミナル・スペースとは、“日常的に見慣れた空間でありながらもひと気がない”といった風景に、どこか不安や違和感を覚えるような空間のことです。特に、廊下やロビー、階段、道路など、人が移動する“通過点”にあたる場所が、代表的なリミナル・スペースとして挙げられます。
詳しくは最後の章で後述しているので、そちらも合わせてご覧ください。
現実と非現実の間
現実にはありそうで存在しない風景や、意味の通らない文字、現実ではありえないものを組み合わせることで“違和感”を生じさせ、夢の中にいるような感覚を表現しています。
どこか懐かしい風景
ゲームセンターやプレイルームなど、遠い昔に訪れたことが、あるようでないような景色、ドットの荒かった90年代のゲームやパソコンの画面。
そのような風景は、懐かしさと同時に少し寂しさや不安を抱かせます。

ドリーム・コアで使われている曲と特徴
この章では、ドリーム・コアで使われている有名曲をピックアップしてご紹介します。インディーズで活躍するアーティストの曲もありますが、UNDERTAIL や Minecraft といった有名ゲームの BGM が使用されている場合もあります。
Mice On Venus but make it *E X T R A* nostalgic
有名なゲーム「Minecraft」のBGMです。
fallen down
有名なゲーム「UNDER TAIL」のBGMです。
7 Weeks & 3 Days
その他
scizzie - aquatic ambience
https://youtu.be/DP3rDP02lE0?si=82FXZNjAkZZWbuPU
Sweetly
https://youtu.be/jVOnPgW34TI?si=M3PBY9EeF0eDbSUu
Comfort chain
https://youtu.be/8b-WwN4H7lE?si=HnpqehFpMwyMx34f
音楽の特徴
ドリーム・コアで使われている曲に明確な定義はありません。
ここでは、よく使われる曲から多く共通したサウンドを以下に紹介します。
シンセサイザー
80〜90年代風のシンセサイザーを感じるサウンドです。
後述するゲーム音楽も、そのうちの一つです。
ピッチの揺らぎ
狂ったピッチやスローダウンしたようなサウンドが使われていることが多いです。たとえば、7 Weeks & 3 Daysのイントロで使用されているシンセサイザーは、ピッチが揺らいでいます。
リバーブ
思い出のように、どこかもやがかかっていて、つかみどころがない感じが演出できます。たっぷりめにかけても良いでしょう。
ゲーム音楽
ゲーム風のサウンドにしたい場合は、ファミコンなどの 8bit 時代に使用されていたゲーム音楽を再現しましょう。
当時は矩形波が2つ、三角波が1つ、ノイズが1つしか使えませんでした。シンセサイザーのオシレーターで矩形波を選ぶだけでも、ゲームサウンドっぽくなりますよ。
繰り返しのメロディー
あくまで BGM のため、曲自体には大きな展開はありません。
先ほど紹介した曲も、イントロだけが繰り替えされるなど、加工して使用されていることが多いです。
同じモチーフが繰り替えされていると、永遠に続いていく印象を感じられます。
低音質
ノイズが入っていたり、高い周波数が削れていたり。ローファイなサウンドはレトロさを出すと同時に不安感も煽る要素となります。ローパスフィルターを使ったり、次の章で紹介するプラグインも活用してみると良いでしょう。
おすすめプラグイン
レトロ感、歪み感を加えたい場合は、以下のようなプラグインがおすすめです。
- Baby Audio「Pitch Drift 」
- XLN AUDIO「RC-20 Retro Color」
- WAVES「Retro Fi」
- UAD 「Vibe Analog Machines 」
人気を集める「リミナル・スペース」
ドリーム・コアは、前述の「リミナル・スペース」と深い関わりがあります。
こうした空間の画像や動画は、近年インターネット上でミームとして広がり、一つの美学・ネットカルチャーとしても注目されるようになりました。
2019年に海外掲示板「4chan」に投稿された黄色い部屋の画像をきっかけに生まれた「バックルームズ(The Backrooms)」は、リミナル・スペースを代表する例です。この既視感のあるけど、どこか不安を煽るといった感覚が共感を呼び、ネット上では、この「バックルームズ」を題材にした創作物がさまざまなユーザーによって生み出され、独自の世界観が広がっていきました。
その中でも特に、2022年に Kane Pixels によって投稿された「The Backrooms (Found Footage)」という、この黄色い部屋を題材にした短編映像は人気を集め、2026年9月には、The Backroomsを題材にした劇場映画も公開が予定されています。
日本では、2023年に発売されたゲーム「8番出口」が、リミナル・スペースを題材にした作品として話題になり、2025年には映画化もされています。
ドリーム・コアの流行は、このような流れを受けているとも言えるでしょう。この2つの映画はホラー要素が強いですが、ドリーム・コアは、より幻想的で、ノスタルジックなものになっています。
まとめ
映像と組み合わせて作るアート・カルチャー、ドリーム・コアについて紹介しました。ずっと見ていたら、どこか別の世界に連れて行かれてしまいそうな雰囲気がありますね。
普段は歌ものを中心に作っているという方も、映像との組み合わせを意識したBGM制作を作ってみるのも面白いのではないでしょうか。

東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。








