ビートメーカーとは?
ビートメーカーは、音楽制作において伴奏トラックを制作する人、またはインストゥルメンタル(注1)を作る人です。日本ではほぼ同じ意味でトラックメーカーと呼ばれることも一般的です。
ビートメーカーは比較的新しい役割で、音楽ジャンルの多様化と DAW の普及などを背景にビートメーカーが確立していったとされます。
Hip Hop 、R&B 、EDM などのジャンルは、プレイヤーと曲の制作者が分かれていることが多いことから、ビートメーカーと言えば、これらのジャンルを思い浮かべる方も多いでしょう。
特に国内では Hip Hop 界隈で使用されることが多く、文脈としては「ラップのためのトラックを制作する人」として広く認知されています。
実態として、ビートメーカーを専門にしている人は少なく、プロデューサーやアーティスト、DJ などと兼業している場合が多いです。特に海外では、プロデューサーがビートメーカーの役割を果たすことが一般的であることから、ビートメーカー=プロデューサーとして認識されることも多いようです。
また、ビートメーカーのなかには独自性を確立し、アーティスト的な側面も持つ人もいます。
近年では、音楽制作をそれぞれの得意分野に振り分けて複数人が共同で楽曲制作を行う「コーライト」というスタイルも、ポップス音楽の制作として一般的になりました。
このコーライトでは、作曲の中でもメロディーを作る人、伴奏トラック制作をする人、楽器アレンジを考える人、時にはストリングスのアレンジのみ考える人、などの様に場合に応じて役割が細分化されています。(※一概にこのような分け方とは限りません)
このことから、先ほど列挙したジャンルだけではなく、ポップスの様々なジャンルで伴奏トラックを制作する人を指してビートメーカー、トラックメーカーと呼ぶことも多いです。
(注1)・・・歌が入っていない、楽器のみで作られた音楽。
ONLIVE Studio でビートメーカーに依頼できることは?
では、ビートメーカーにはどんな依頼ができるのでしょうか。
当サービスでは、以下のようなことが依頼可能です。
- ラップ用ビートメイク依頼
- 楽曲のバッキングトラック制作依頼
- 既にあるバッキングトラックのブラッシュアップ
- CM や劇版、動画 BGM 等のインストゥルメントの作成 ...etc.
依頼可能範囲は依頼先にもよるため、予めどんな事を依頼できるかプロフィールやメッセージで確認しましょう。
作曲家、DJ との違い
ビートメーカーは、トラックを制作する人です。そのため、楽器アレンジ、また Hip Hop の場合はどのようなビートにするかに焦点があります。
一方、作曲家は楽曲全体に注力し、曲をどのように仕上げるかに焦点を置きます。また、メロディーの考案も作曲家の役割であり、これも両者の違いの一つです。
さらに、Hip Hop やダンスミュージックといった文脈においてのビートメーカーは、サンプリング(注2)手法を取り入れて作曲することも多いため、この様な作曲の方法も違いと言えるでしょう。
ビートメーカーと DJ も、それぞれの役割が曖昧という方も多いのではないでしょうか。
DJ は、簡単に言えばライブやイベントで曲を流す役割を担う人のことです。ビートメーカーの中には、作った音源を自ら DJ として流す人も多いため、ビートメーカーと DJ が曖昧になりやすいのかもしれません。
(注2)・・・既存の曲の一部分を切り取って、楽曲の一部に取り入れる作曲手法。
ビートメーカーへの依頼がマッチする人は?
ここまで読んでみて「自分の依頼したい内容が、ビートメーカーへの依頼にマッチしているかイマイチ分からない」という方のために、ビートメーカー依頼にマッチする具体的なシチュエーションを見ていきます。
- ビートのイメージはあるけど、自分では作れない
- ライブやイベント用のビートメイクを頼みたい
- ビートメイクしてみたけど、いまいち何か物足りない
- サンプリングを取り入れてみたいけど、よく分からない
- 作詞作曲は済んでいるけど、DTM は良く分からないから伴奏を依頼したい
- Youtube 動画用の BGM を作って欲しい
- CM で使用するインスト曲を作って欲しい ...etc.
有名なビートメーカー一覧
有名なビートメーカーを、国内外それぞれ3組ずつご紹介致します。
それぞれビートメーカー以外でも活躍されている方達ですが、ここではビートメーカーとしてご紹介させて頂きます。(※50音順)
<日本編>
- KREVA(クレバ)・・・自身もラッパーとして活動し、日本の Hip Hop レジェンドとしてその実力を誇る。また、トラックメイクのセンスも長けており、メジャーアーティストへの楽曲提供も行っている。 最近では King & Prince に提供をした『 ichiban 』が話題となり、2022年の紅白歌合戦でも歌われた。
- KM(ケーエム)・・・東京都出身のビートメーカー。SKY-HI(スカイハイ)や KANDY TOWN(キャンディタウン) などのアーティストに楽曲提供をしている。2021年には「 Roland presents KM BEAT CYPHER 2021 supported by OTAIRECORD 」という国内のビートメイキングの大会を主宰し、日本の Hip Hopを盛り上げた。
- Chaki Zulu(チャキ・ズールー)・・・静岡県出身のトラックメーカーで、日本の Hip Hop レーベル「 YENTOWN 」の創設者。Awich(エーウィッチ)を始めとした Hip Hop アーティストへの提供のみならず、BE:FIRST といった様々なアーティストの作品に参加している。
<海外編>
- Calvin Harris(カルヴィン・ハリス)・・・スコットランド出身のトラックメーカー。DJ としても高い名声を持ち、電子音楽系のジャンルで成功を収めている。アメリカの経済誌『 Forbes 』で発表される最も高給な DJ ランキングで1位を取ったことがあるほど高い人気を誇っている。
- metro boomin(メトロ・ブーミン)・・アトランタを中心に活動する、プロデューサー。Future(フィーチャー)、Travi$ Scott(トラヴィス・スコット)などの作品を手掛けており、近年の Hip Hop サウンドにおいて重要人物の一人である。
- Nujabes (ヌジャベス)・・・Lofi Hip Hop というジャンルを確立した一人で、世界に誇る東京都出身のトラックメーカー。2010年に事故によりこの世を去ってしまったが、彼の音楽とその功績は高く評価されており、現在も多くの人々に愛され続けている。
まとめ
以上、今回はビートメーカーについてご紹介しました。
ビートメーカーとは?を簡単にまとめると、以下のような人たちです。
- 楽曲の伴奏トラックを作る人
- EDM や Hip Hop のトラックを作る人を表すことが多い
- 近年ではコーライトの影響により、様々なポップスのトラックメイクをする人のことも含む
ビートメーカーに依頼をしたい方は、こちらからプロフェッショナルを探すことができます。
あなたの音楽活動で、ビートメーカーの手を借りてみてはいかがでしょうか?
東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。
Masato Tashiro
プロフェッショナルとして音楽業界に20年のキャリアを持ち、ライブハウスの店長経験を経て、 2004年にavexに転職。以降、マネージャーとして、アーティストに関わる様々なプロフェッショナルとの業務をこなし、 音楽/映像/ライブ/イベントなどの企画制作、マーケティング戦略など、 音楽業界における様々な制作プロセスに精通している。 現在はコンサルタントとして様々なプロジェクトのサポートを行っている。