自分たちの手で市場に強いアーティストを育てる
レーベルを中心とした3つの柱
-まずは、株式会社アーティストキャリアの事業内容と、設立の背景について教えてください。
はい。現在、私たちは大きく分けて3つの柱で事業を展開しています。1つ目は自社レーベルである“アンコール”、2つ目はアーティストの就労支援を行う“アーティストジョブ”、そして3つ目がレッスンやブランディングをサポートする“アーティストキャリア®︎”という教育事業です。
これらの事業を立ち上げた背景には、私たちがもともとNPO法人日本アーティスト協会として2015年から約10年間行ってきた支援活動の中での大きなジレンマがありました。
およそ6,000組ほどのアーティストと接し、“アーティストをどう支援すれば良いか”のデータや、自治体・企業との連携パッケージはある程度作れたのですが、結論として“自分たちが本当に売りたい物を作れていない”ということに気づいたのです。
他社のビジネスに貢献し、他社(大手レーベルや専門学校など)のアーティストを育てて喜んでもらうことにはやり甲斐と責任感を持って今後も継続していきます。
一方で、自分がアーティストだったからこそ、どういうアーティストになりたいか、ファンにどういう作品を届けたいか、というアーティストの中で濃縮された想いを、アーティストと共に企画し、ブランディングして販売するフェーズに行かなければならないと感じていました。
本当に強いアーティストを自分たちの手で育て、伴走していく場所を作るため株式会社アーティストキャリアを設立し、現在の事業体制に至ったというわけです。

-自社のアーティストを作る上で、海外市場も視野に入れているとお聞きしました。
海外のエージェントと話をすると、彼らが求めているのはすでに売れているメジャーアーティストか、あるいは予算に見合って一緒にフットワーク軽く動ける“リアルな日本の若手”なんです。
英語で歌わなきゃ売れないと思い込んでいる人もいますが、海外の中小規模のエージェントからすれば”J-POP で日本語で歌ってくれる方が、日本のフェスやエキスポに出しやすいから分かりやすい”と言われます。
大きなマーケットのトレンドを追って英語で歌うのではなく、自分たちしかできない日本語の音楽を作り、それをフットワーク軽く海外に持っていく。そんな活動を楽しめるアーティストを自分たちの手で育てていきたいんです。

教育事業と共同レーベルという新たな構想
-会社名と同じ“アーティストキャリア®︎”という教育事業も展開されているそうですね。
はい。アーティストのレッスンやブランディングをサポートする教育カリキュラムを持っており、3年前から専門学校に導入したことで就職率向上に貢献しています。
アーティストのリアルなキャリア形成について体系的に学べるカリキュラムが存在しなかったことと、実際の就業まで責任を持つ点が好評で、現在もある音楽大学への導入を進めています。中学校や高校にも探求学習の一環として導入いただいており、今後も若い才能をサポートしていきたいと考えています。
また、自社レーベルの展開として、日本工学院さんと共同レーベルを立ち上げ、5月に19組のアーティストの作品をリリースしました。これは在学中の学生の曲をリリースしていくもので、プロの講師が制作に関わった楽曲も活用できるという非常に面白い取り組みです。
“企業と一緒にアーティストを応援し、才能を見つける新しい仕組み作り”という構想も、今後力を入れていきたいと思っています。

ビノベーションレポートの活用とマネジメントの課題
-就労支援のアーティストジョブでは、独自のアセスメントツールを導入されているそうですね。
はい。“ビノベーション®︎レポート”というアセスメント(評価・分析)ツールを導入しています。
これは、よくある適職診断や適性検査のように意図的にコントロールできるものや、MBTIのような「あなたは何々タイプです」と分類するものではなく、“どうすればその人の才能が活かせるのか”を科学的に分析するものです。
人間としての基本的な特徴に加え、どういうことにストレスを感じるか?どういうことにモチベーションを感じるか?などがすべて数値化されて出ます。
実際にスポーツ庁のプログラムやプロ野球選手などアスリート育成などでも使われている本格的なものです。
私たちはこのレポート結果をもとにキャリア面談を行い、履歴書や職務経歴書の作成をサポートして、その人の特性に本当に合った職場を紹介しています。
また、レーベルのマネジメントでも活用していて、例えば「自由にやらせてほしい」という気質の子には、頭ごなしに指示するのではなく「どう思う?」と一度意見を聞いてから進めるなど、アーティストの特性に寄り添う行動に繋げています。

つまようじを売るためにサトウキビを売る。アーティストの経済圏創出
-レーベル、就労支援、教育と多岐にわたる事業を展開されていますが、ビジネスとしてアーティストを売っていく上で独自のアプローチはありますか?
よく「1つの事業に絞ったほうがいい」と言われるのですが、私たちはアーティストの経済を回すためにあえて様々な事業を展開しています。
例えるなら、アーティストは“つまようじ”なんです。つまようじ屋さんとしてこだわりを持って物を作ったとして、「このつまようじは黒くてピカピカしていてかっこいいから買ってください」と言っても、それだけでは普通の人はなかなか買ってくれません。黒くてピカピカしたつまようじは、生活のインフラではなく、趣味の世界だからです。
でも、もし私たちがサトウキビ屋さんもやっていて、歯に挟まりやすいサトウキビと一緒に「つまようじはいかがですか?」と提案したら、特殊なつまようじでもかなりの確率で売れますよね。
ダーツバーと組んで、ダーツをつまようじに変える企画をするとか。
単体では売りにくいものを売るために、買ってもらう理由づくりを様々な周辺事業と組み合わせながら作っていく。
こういったビジネスのロジックで、アーティストが音楽を辞めずに活動を続けられる環境や居場所を作るための工夫を実行しています。

現状を変えるための行動力
-この記事を読んで、ガリバーさんに音楽活動やキャリアの相談をしたいと思った読者は、具体的にどうすればよいのでしょうか?
まずは、アーティストジョブの公式LINE に登録してみてください。「就職先を探している」「キャリアを相談したい」と連絡いただければ、うちのエージェントからお返事し、まずはしっかりヒアリング(面談)をさせていただきます。
もしくは、ONLIVE Studio の私のアカウントから問い合わせてもらえたら、必要なサポートを提案します。
本気の人に向けてということなので、最後にもう一つ厳しいことを言いますが、こういう記事を読んで、実際に連絡をしてみる、登録してみる、といった行動に移す人は、統計上1割程度と言われています。私の経験上もそのくらいです。
本気で現状を変えたいなら、まずは登録してみる。
例えば引っ越しを考えているなら、買えなくても内見に行ってみる。内見に行けば家の見方がわかるように、行動することで経験値が上がり、見えてくる景色が変わります。
この"1つのハードルを超える癖”をつけてください。やらない人は、ずっとやらない側に留まり続けてしまいます。
私たち運営は、皆さんがうまくいく方法を本気で考えています。豊富なデータをもとに全力でサポートするので、まずは最初の一歩を踏み出してみてくださいね。

まとめ
エンターテインメントは生活のインフラではない--。だからこそ、独自の経済圏を作っていく。ガリバー氏のビジネスロジックは、音楽業界にとどまらず、すべてのビジネスパーソンの心に刺さるものではないでしょうか。
キャリアについて悩みを持つアーティストの方は、まずはガリバー氏に相談するという第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
その小さな行動が、あなたのキャリアを劇的に変えるきっかけになるかもしれません。
ガリバー宇田川氏へのお問い合わせはこちらから!
ガリバー宇田川氏プロフィール
株式会社アーティストキャリア代表取締役。
NPO法人日本アーティスト協会理事長。
小中高校・専門学校・社会人向けに授業や人材育成事業をおこなっている。
ボーカルとキャリアの個人レッスンはのべ4000組以上を担当。
兼業アーティスト専門レーベル“an'QOL”のプロデューサーとして新人アーティストのプロデュースも手がけている。
◆株式会社アーティストキャリア
https://www.artistcareer.jp/
◆NPO法人日本アーティスト
協会http://jaa.strikingly.com
◆ガリバー宇田川(アーティスト名義)
https://udagulliver.themedia.jp/

シンガーソングライター。2012年デビュー、メジャーレーベルからリリースするなどの活動後、現在はフリーに。作詞作曲、ステージでのパフォーマンスを軸に、サッカーチームの応援ソング書き下ろし、企業オリジナルソングの制作、アーティストへの楽曲提供、ラジオパーソナリティなど多分野で活動を展開中。








