ONLIVE Studio活用事例紹介〜ヒラウチマイ『でんぐりがえし』

ONLIVE Studio での出会いから生まれた楽曲をご紹介!名古屋で活動するシンガーソングライターのヒラウチマイさんが8月27日にリリースした新曲『でんぐりがえし』の制作にあたり、ONLIVE Studio を活用してミックスエンジニアである田中”Teppei”邦明さんへミックスとマスタリングの依頼を発注。 今回依頼することになった経緯、信頼する仲間との音楽活動の進め方などを聞きました。

ONLIVE Studio 編集部
2025-09-059min read
作詞作曲:ヒラウチマイ
サウンドプロデュース:北條弘大
ミックス:田中”Teppei”邦明
https://onlive.studio/user/Teppei

名古屋で活動するシンガーソングライター、ヒラウチマイさんの楽曲『でんぐりがえし』。

こちらの曲のミックスとマスタリングは、ONLIVE Studio を介して、田中”Teppei”邦明さんに依頼して完成しました。

地元名古屋で信頼する音楽仲間と制作を続けているマイさんと、サウンドプロデューサーとしてマイさんの活動に関わる北條弘大さんに、今回の依頼に進むことになった経緯、また日頃の制作の進め方などについてお話いただきました。

今回の楽曲制作について

-まずは『でんぐりがえし』の制作の経緯について教えてください。

マイ:この曲は、現在制作中のアルバムに収録予定の一曲で、先行配信シングルです。

-今回のアルバム制作には、アレンジャー・プロデューサーとして北さんが制作に関わっていますが、基本は一人で活動されているんですよね?

マイ:はい。

これまでは一人で活動費用を貯めながら制作していて、自分なりにクオリティの高いものを作りたかったのですが、そうすると作品の発表ペースがすごく遅くなってしまい、なかなかアルバムまでを作れていなかったんです。

-では、アルバム制作に取り組むのは今回初めて?

マイ:初めてです。私は CD 世代で、小学生の頃には買ってもらったアルバムを何回もリピートして聴く習慣があったので、自分の音楽もそうやって聴いてもらうことに憧れがあって。

それと、私はクオリティの高い作品をたくさん生み出していきたい気持ちが強くて、そんな話を北條さんや周りの人に話したら後押ししてもらえたので、アルバム制作にチャレンジしてみることにしました。

-元々北條さんとマイさんはどのような繋がりで?

北條:僕は元々ヒラウチマイバンドのサポートベーシストとして関わっていました。その流れで、マイちゃんの制作についての相談に乗るようになりました。最初はミックスを依頼され、その後一緒に曲作りましょうとなり、今はアルバム制作全体に関わっています。

-では作詞作曲はマイさんがして、アレンジなどを北條さんが担当されているんですね。

北條:そうですね。僕が打ち込んで完結する曲もあれば、ギターやベースを弾くこともあります。必要があれば他のミュージシャンに依頼して全部生音で録るみたいな曲があったりもします。

マイ:昔は自分でアレンジしていたのですが、楽器がそんなに弾けるわけじゃなくて、作曲の延長という感覚が強かったので、自分のアレンジのクオリティに限界を感じていました。

私は音楽大学出身なんですが、在学中に同期の学生同士で作品制作をした経験などもあって、作品自体に他の人の色が介入することでよりいいものになると確信していたので、今回から北條さんに協力してもらっています。

-アルバムの制作自体は今どのぐらいまで進んでるんですか?

マイ:全部で11〜12曲収録をイメージしていて、候補曲が今40曲ぐらいあります。

北條:スプレッドシートにリストでまとめてあるんです。

-スプレッドシート!しっかりしてる!制作進行の管理はどなたがしているのですか?

マイ:広報やマーケティングまでやってくれるスタッフがいます。彼女は、本当に音楽のファンで、流行りの曲も昔の曲も知っているし、私たちが作る曲に対して気を使わず「それはダサいよ」とか「それいいね」とか、いちリスナーとしての意見を言ってくれるんです。

-スタッフ周りの動きが苦手というアーティストは多いですよね。

マイ:そうですね。色々進めてくれて、提案もたくさんしてくれるので助かっています。今回の「でんぐりがえし」の MV は、SUPER BEAVER などメジャーな作品も撮られている若手の監督にお願いしているんですが、その方も彼女が繋いでくれました。

ONLIVE Studio を使ったきっかけ

-アレンジなど、一緒に制作をする人との相性は楽曲クオリティにも影響しますよね。

マイ:これまで、自分の解釈と違う形でアレンジが返ってきたこともあって、そこが難しくて悩んでいた時期に北條さんと出会ったんです。

北條:好きなものも近いんですよね。喧嘩する時もあるんですけど、話し合えるので。

あとは、シンガーソングライターの制作は、曲を作ったらそれをアレンジャーに投げるという、すごく仕事っぽくなる瞬間があると思っていて。例えば「修正は2回までね」みたいな縛りが生まれてしまったりとか。

でも僕がやりたいのはアートというか、もっとクリエイティブなことだったんですよ。

時間をかけて納得行くものを一緒に作りたいという考え方が、マイちゃんとは一致したんですよね。

-今回のアルバム制作では、北條さん自身もミックスしている曲がありますが、今回 ONLIVE Studio を通して『でんぐりがえし』のミックスを依頼をしたきっかけは何だったんでしょうか。

北條:元々僕は、全部の曲が並行して仕上がっていくイメージで制作の予定を組んでいました。この1年で自分のミックスの腕も上げつつ最終的に形にしたいと考えていたから、この『でんぐりがえし』を先にシングルで出そうという話になったとき、僕自身がミックスするには少し時期尚早だなと思ったんですね。

間に合わせるために自分でもミックスしてみたんですが、なかなか納得できなくて。

マイ:その頃に、宇宙まお(※シンガーソングライター。ONLIVE Studio スタッフでもある)さんと会う機会があったので、制作のことを話したんですよ。そうしたら ONLIVE Studio のことを教えてくれて。

最初に相談していたのは、マスタリングでしたね。

北條:実はONLINE Stuidoに依頼する前に、自分でミックスした『でんぐりがえし』を、海外マスタリングに出したんですよ。

返ってきたものは悪くはなかったんですが、ちょっと「うーん」ってなっちゃったんですよ。

そのまま進めようか迷っていたときに、 ONLIVE Studio の存在を知ったので、もうちょっと可能性を追求したいなと思って、ミックスの段階からプロに頼んでみることにしたんです。

マイ:すごくいいタイミングでしたよね。

ONLIVE Studio での依頼について

-力になれて良かったです!マイさんの条件に合わせてこちらから何人か紹介しましたが、他の方も含め、お二人でじっくり選んでいただきましたよね。

北條:そうですね。ONLIVE Studio のサイトを一通り見てみて、気になるエンジニアの音源を全部聞いて、その中で今回の「田中”Teppei”邦明」さんの音が一番いいなあと思って依頼させていただきました。

実際やり取りが始まったら、Teppeiさんはすごく丁寧な方だと分かりました。それこそ先ほども話した、「修正は何回までね」みたいな仕事のやり方じゃなくて、「納得いくまで付き合いますんで」と言ってくださって。仕事の進め方も僕らと近い感覚があるのかなと思いました。

最初パラデータを送ってから、ミックスの第一稿が来たのが翌日でしたね。

-早い!

北條:早かったです。その後、僕からの要望を送って直してもらうというやり取りを4回くらいしましたね。それでだいぶイメージ通りになりました。

マイ:マスタリングでは、自分が高校生くらいの時に好きだった J-POP サウンドを求めていたんですけど、最初海外のエンジニアにお願いしたらそのサウンドのキャッチーさがなかなか伝わらなかったんですよね。その音を、Teppei さんには実現してもらえた感じがしました。

-今回ミックスを依頼するエンジニアを探す時の条件としては、J-POP的な響きを出せる人ということだったのでしょうか。

マイ:そうですね。皆さんがアップされている音源をチェックするときは、ドラムを主に聴いてましたね。

-マイさんが高校生の頃のJ-POPというと、華やかさや明瞭さがあるイメージなのですが、J-POP感のある響きとはどんなサウンドなのでしょうか?

マイ:やっぱり華やかで煌びやかな感じですかね。

ただ、そのオーダーで Teppei さんにお願いしたら、最初ちょっとリバーブがスタジアムっぽくなり過ぎちゃって。

北條:なので、リバーブの量を調整してもらうときに「スタジアムじゃなくて体育館くらいの感じ、親近感のある可愛らしさと元気を感じるくらい」といったオーダーをしました。

-目指したい完成形を、どう言語化するかを難しく感じているクリエイターも多いかと思いますが、「スタジアムじゃなくて体育館」のような抽象的な表現でもプロには伝わるってことですね。

北條:むしろそういう抽象的な表現は大事にしたいんですよね。「リバーブを何秒延ばしてください」とかじゃないと思うんです。Teppei さんは、そこが伝わる方だったのですごく助かりました。

-今回「でんぐりがえし」を海外マスタリングに出した際に、ハマらなかったのは、なぜだと思いますか?

北條:多分僕のミックスに限界があって、それに対してのマスタリングなので、曲の良さやエンジニアの良さが伸び切らなかったんだと思います。

なので今回は、ミックスから Teppei さんにお願いして、マスタリングまでやってもらいました。

-田中さんから最初に上がってきた音源を聞いた時どういう印象でしたか?

北條:とりあえず説得力があった。解像度が高いというかね。

マイ:バチンと来た感じがありましたね。今までは音圧は上がっているけどぼやけているみたいなことが多かったんですが、今回は個々の楽器の音がクリアに立っている状態で、なおかつ圧があるっていう印象でしたね。

プロフェッショナルに頼むメリット

-マイさんは、周りに音楽の仲間もたくさんいて、そういう信頼できる専門家を巻き込んでいけるというのは一番いいですよね。

マイ:自分で全部はできないんだって開き直って、周りを頼るようになってから、みんな集まってきてくれて、それはすごい不思議ですね。

北條:シンガーソングライターで、人に手伝ってもらうと純度が薄れるんじゃないかみたいに怖がっている人は多いと思うんですけど、むしろ頼ることでその人の良さを強調してくれることもあるんですよね。

本人を核にして広がったものが出来上がって、より多くの人に届く作品になるんじゃないかなって僕は思っています。

マイ:私も周りを頼り始めてから、いろんな人から相談を受けるようになりました。「なんでそんなに活動が進むの?」とか。

困っていることを相談して周りにサポートを求めたからだと思うんですけど、それが今ちょうどいいバランスなので、外からは順調に見えてるのかなと思います。

なので、頼りにできるプロが揃っている ONLIVE Studio のサービスは、すごくいいと思います。シンガーソングライターの子たちに勧めたい。

-ありがとうございます!

マイ:今回はエンジニアでしたが、他のプロフェッショナルを探すときも、それぞれの過去の作品も聴けるし、自分が好みだと思う人を選びたいけどそういうものをまとめて見れるサイトもあんまりないので。

北條:プロフェッショナルに依頼する前に、最初にワンラリーできますよね。

-はい、メッセージだけは事前に無料でできます。

北條:喋ってみて「あ、なんか良さそう」って感じてから依頼できるのがいいと思います。まず人と人とのやり取りがあるので、そこがすごく良かったですね。

-音楽性だけじゃなくてフィーリングも合うかどうかも確かめたいですよね。

北條:そうですね。だから今回、僕も最初に事情を説明したんですよ。自分でミックスをしてうまくいっていなくて、自分の技術だとここまでだからその先をお願いしたい、みたいな。そういう事前のラリーがあったから、こちらの意図を汲み取ってもらえたんですよね。

マイ:音楽活動に悩んでいるアーティストは本当に多いんですよね。

しかも、それを誰に相談したら上手くいくのか、といった解決のためのわかりやすいサービスもあまりない。

ONLIVE Studio のサイトは、これができる人を頼みたい、というニーズに合わせて、プロフェッショナルが分けられているので、利用しやすいなと思いました。

-大変なことも多いとは思いますが、音楽制作の楽しさの部分でいうとどんなことですか。

北條:楽曲制作って、その曲が持つ良さやクオリティって最後までわからないじゃないですか。

今回、マイちゃんとの制作全体でもそうですし、Teppeiさんに依頼してみたことでも、誰かに意見を求めたりプロに相談したりすると、自分の問題も分かるし曲が求めてるものも分かることが面白かったです。

マイ:制作をする時には身近な人にリアルな感想をもらうようにはしていたのですが、それを今までは割とネガティブに捉えることが多かったんです。

だけど今は、自分で作った曲の中でも直感的に感じるいい曲を、とりあえず北條さんやスタッフに投げてみるようにしています。

それで、会話を重ねてお互いの思いを汲み取るようなことを繰り返していった先に答えがある感じが、未知のものを見る感動があるので、そういう楽しさはありますね。

サービスを使ってみて

-このサービスを使ってみて、ONLVIE Studio に今後期待していることがあれば教えてください。

北條:今回僕は依頼する側だったんですけど、プロデューサーとしても登録することもできる。一方通行じゃなくて双方向で利用できるのが良いなって思いました。

あと、若干 SNS っぽいニュアンスがある気がしていて、そこに可能性を感じますね。

マイ:ボカロPとか、時代のニーズにあったところもそうだし、ベテランの方も登録していたり、ジャンルを幅広く捉えてるから、ある程度ジャンル感で分けてあると見やすいかなと思いました。自分の好みのプロを見つけやすいと思います。

-ありがとうございます。ところで、今日はライブ後に取材させてもらっています。今日のライブは東京で初めての自主企画ということでしたが、手応えはどうでしたか?

北條:今日は僕がアレンジした新曲をバンドで初めてやるってことで、最初はどうなるか不安でした。でも実際演奏してみたら、原曲よりちょっとテンポが遅かったんですけど、それはそれでいいな、と思えたし、マイちゃんがライブ用に考えてくれたバイオリンの音も今日は綺麗にはまってて、楽曲の持つ幅の広さを感じました。

マイ:ライブで未完成の新曲を聴かせることには少し抵抗があったのですが、でも今日実際のお客さんのリアルな反応を見れたので、それを受け取ってまた持ち帰ることができるっていうのは、曲を作る上で強みですよね。

-素敵なイベントでした。本当にお疲れ様です。アルバムの完成も楽しみにしています!

マイ:ありがとうございます!


まとめ

より良い音楽を生み出すために、人を頼ることに辿り着いたと話してくださったマイさん。北條さんとのタッグも素晴らしい相性であることを感じるインタビューでした。

そんな二人の情熱に応えてくださった田中”Teppei”邦明さんにも、次回の記事でお話をうかがいます!

音楽活動はひとりでもできるけど、誰かと一緒に力を合わせると、もっと良いものが生み出せるということが、この楽曲から伝わってきますね。

あなたも、ぜひ ONLIVE Studio で信頼できるプロフェッショナルを探してみてください!

ヒラウチマイ氏プロフィール

名古屋市出身 / シンガーソングライター。2020年から活動を開始。学生時代に JAZZ,R&B などのブラックミュージックに影響を受ける。素直な歌詞とキャッチーなメロディで、シンプルに繊細に「うた」をつむぐ。自身で作詞・作曲・編曲を手掛けている。ソロ、デュオ、バンドセットなど様々な形態でライブ活動を行う。2024年4月にはラジオメディアZIP-FM内の番組「FIND OUT」でマンスリークローザーとして1ヶ月間レギュラー出演、2025年には三重テレビ「Mieライブ」出演、東海地区の大型クラブ・サーキット・イベント「SAKAE SP-RING」 に出演。現在は、自身が主導となった企画ライブ"Caeroom"を開催するなど、東海地方を中心に精力的に活動している。
X:https://x.com/mai_iu0
Instagram:https://www.instagram.com/mai0115/
YouTube:https://www.youtube.com/@hirauchimai

北條弘大氏プロフィール

生年月日:1994/9/1
出身:岐阜県
出身校:Berklee College Of Music
趣味:キャンプ、日曜大工
音楽以外での目標:体力をつける
Instagram:https://www.instagram.com/kodaihojo/
ONLIVE Studio 編集部
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ONLIVE Studio 編集部

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