

パーカッションに含まれる楽器って?〜パーカッションの基礎知識
様々な打楽器がひとまとめに「パーカッション」と呼ばれることがありますが、そもそもパーカッションの定義とは何でしょうか? たとえば、コンガのように太鼓型な形状の楽器を手で演奏するもの、木琴のように音程を持ちマレット(ばち)で叩くもの、さらにはシンバルのように金属の円盤をぶつけて音を出すものまで。素材も演奏方法もまちまちで、一見すると共通点がないようにも思えます。 この記事では、「パーカッションとは何か?」という基本的な問いから出発し、どのような楽器が含まれるのか、その機能や役割、簡単な歴史まで、パーカッションの基礎知識をご紹介していきます!

そもそも「パーカッション」とは?
パーカッション(percussion)とは、打楽器全般を指す言葉で、「打つ」「叩く」といった意味を持つラテン語に由来しています。
その名から連想できる通り、物体を叩いたり、こすったり、振ったりすることで音を出す楽器を、総称して「パーカッション」と呼びます。
ドラムセットを構成するバスドラム、スネアドラム、タム、シンバルなどもすべて打楽器であり、広義にはパーカッションの一部です。ですが、ポップスやバンド編成などの文脈では、「ドラム」と「パーカッション」は区別して扱われるのが一般的です。
パーカッションと人間の密接な関り
パーカッションの歴史は古代にまでさかのぼり、その多くは娯楽目的にとどまらず、コミュニケーション手段や宗教的儀式、冠婚葬祭、さらには軍事目的など、さまざまな用途で用いられてきました。
例えば、西アフリカのマリ帝国で生まれたジャンベは、人々を集める呼びかけのために使われただけでなく、街を越えた通信手段としても活用されていたといわれています。
また、現代ポップスに欠かせないスネアドラムは、もともと軍隊の行進をコントロールし、合図を出すための軍事的な用途に由来しています。
このように、パーカッションは単なる演奏用の楽器ではなく、人類の歴史や各地域の文化に深く根ざし、私たちの暮らしと密接に関わってきた存在なのです。
パーカッションの分類
パーカッションに当てはまる楽器は膨大にあります。
では、パーカッションはどのような分類になっているのでしょうか?
体鳴楽器 or 膜鳴楽器
現代の楽器分類学と呼ばれる、楽器を分類するための学問によると、楽器はその発音の仕組みに基づいて「体鳴楽器(たいめいがっき)」「膜鳴楽器(まくめいがっき)」「弦鳴楽器(げんめいがっき)」「気鳴楽器(きめいがっき)」「電鳴楽器(でんめいがっき)」に分類することができるとされています。
その中でも、打楽器は一般的に「膜鳴楽器」か「体鳴楽器」の2つに分かれていると考えられています。
膜鳴楽器とは、ティンパニーやタンバリン、太鼓など、皮膜の振動により音を発する楽器のことです。
一方、体鳴楽器とは、トライアングルやマリンバ、カリンバなど、楽器そのものが振動して音を発する楽器のことです。
つまり、ざっくり言えば「太鼓的なものか、そうでないものか」とも言えるでしょう。
とはいえ、パーカッションの種類は膨大にあります。以下に音楽学観点以外で考えられるパーカッションの分類についてご紹介します。
音程あり or なし
パーカッションの中には、音程を持っている楽器があります。
例えば、マリンバやシロフォン、スティールパンなどです。こうした楽器は、メロディーや和音を担当することもあります。
一方で、シンバルやカスタネット、コンガなど、明確な音程を持たない楽器も多く存在します。これらは、主にリズムを担ったり、アクセントを加えたりする役割を担うことが多いです。
鍵盤打楽器
鍵盤打楽器とは、打楽器の中でも音程を持ち、ピアノと鍵盤の配列が同じ楽器のことを鍵盤打楽器といいます。例えば、マリンバやシロフォン、ヴィブラフォンなどです。
この鍵盤打楽器は、マレットと呼ばれるバチを使って演奏することが多いことから、マレットパーカッションとも呼ばれます。
地域による分類
パーカッションの中には、その地域固有の文化や、土地で育まれた音楽に深く根ざした楽器も数多く存在します。例えば、インドではタブラ、西アフリカではジャンベなどが代表的です。これらの楽器は民族音楽や宗教儀式などと密接に関わっています。
そのため、民族音楽を取り入れた楽曲を制作する際には、その地域でよく使用されるパーカッションを基に分類して考えるのも良いでしょう。
音楽におけるパーカッションの機能
パーカッションを使用することで、楽曲にリズムやグルーヴをもたらし、曲全体のダイナミクスを演出することができます。また、効果音的にアクセントとして用いられることもあります。
また、パーカッションの中でも民族楽器として印象的なものは、その地域ならではのサウンド感をもたらすため、音楽のジャンル感を表現する上でも重要な役割を果たします。
たとえば、カホンやコンガ、ジャンベなどは、ラテン音楽やアフリカンビートを感じさせる要素として不可欠な存在です。
マリンバやヴィブラフォンのように音程を持つパーカッションは、リズムだけでなく、メロディーや和音を担うこともあります。
パーカッションの種類
では、実際にパーカッションにはどんな楽器があるのでしょうか。
パーカッションの数はたくさんあるため、今回できるのはあくまで一部ですが、使用される場面ごとにご紹介します。
クラシックでよく使われるパーカッション
初期のクラシックでは、パーカッションの登場頻度は少なかったとされますが、時代が進むにつれ、徐々に取り入れられるようになりました。
- スネアドラム
- コンサートバスドラム
- ティンパニー
- シロフォン
- グロッケンシュピール
- チャイム
- ヴィブラフォン
- トライアングル
- タンバリン
- シンバル ...etc
ポップスでよく使われるパーカッション
ポップスで使用されるパーカッションを挙げればキリがありませんが、以下に一般的なものをご紹介します。
- タンバリン
- シェイカー
- カウベル
- クラーベ ...etc
民族楽器としてのパーカッション
民族楽器としてのパーカッションも、様々な種類があります。以下に一部をご紹介します。
<ラテン>
- ボンゴ
- ギロ
- ティンバレス ...etc
<アフリカ>
- ジャンベ
- チェケレ
- カリンバ ...etc
<中国>
- 拍板
- ドラ
- ペンリン ...etc
まとめ
以上、今回はパーカッションについてご紹介しました。
パーカッションには様々なものがありますね。
今後の記事では、それぞれのパーカッションがどんな特徴があり、どんな場面で活躍しているのか、さらに掘り下げてご紹介していきたいと思います。お楽しみに!
また、パーカッションを楽曲に取り入れたいとお考えの方は、プロに依頼することも一つの手段です。
ONLIVE Studio では、パーカッションに特化したプロフェッショナルが登録されています。
プロの手を借りて、あなたの楽曲により深いリズムと表現を加えてみてはいかがでしょうか?

東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。