アレンジャー(編曲家)とは、作詞作曲された曲(主旋律)に対して、アレンジを考える人です。
アレンジには、楽曲の構成、楽曲のコード進行、リズム、ハーモニー、使用する楽器や音の選定、ジャンルの表現などが含まれます。アレンジャーは、このようなさまざまな要素を考慮し、依頼主の希望に合ったアレンジを考案します。
イメージが湧きにくいと思いますので、具体例を見てみましょう。
以下の動画の楽曲では有名な童謡のメロディーを使用していますが、アレンジの仕方でまったく別物の曲に仕上がっています。
アレンジャーは、この動画の歌詞とメロディー以外の全てを考えている人です。
ONLIVE Studio でアレンジャーに依頼できることは?
- リズムやグルーブの相談
- 楽曲構成の相談
- 楽器構成の相談
- コード進行やハーモニーの相談 ...etc.
作曲家との違いは?
ポピュラー音楽において、作曲とは曲のメロディー(主旋律)を作ることを指します。一方、アレンジ(編曲)はそのメロディーを元に曲を構築していく工程です。
つまり、アレンジャーと作曲家の違いは、「メロディーを考えたかどうか」です。
作曲とアレンジはどちらも非常に重要な工程です。イメージでお伝えすると、メロディーは家の骨組み、アレンジは家の装飾といったところでしょうか。
どんなにアレンジをかっこよく施しても、メロディーが良くなければリスナーの心を掴むことは難しいです。一方でどんなに良いメロディーでも、アレンジが今ひとつであれば、そのメロディーの良さに気づいてもらえないでしょう。
また、「著作権収入(印税収入)があるかどうか」も作曲家とアレンジャーの大きな違いとなります。クレジットに記載され著作権収入を得ることができるのはメロディーを考えた作曲者となり、アレンジャーとして楽曲に携わる場合は料金設定は買い切りの場合が多いです。そのため金銭面から考えると、どの範囲が作曲家にあたるかを知っておく必要があります。
しかし、作業面では役割を意識して作業に取り組む必要はありません。
メロディーを創作するのが作曲家の役割ですが、曲作りを進めていくにあたって行われる様々な楽曲制作工程において、どこまでを作曲家が、もしくはアレンジャーが行うかはプロジェクトによって異なります。作曲家が編曲家の役割まで行うケースも多いです。さらに、楽曲を作る上でアレンジ、もっと言えば最終的な仕上がりのイメージを持ってメロディーを作成することも大切です。
クラシック音楽の場合だと「編曲」「作曲」に対する認識が少々異なります。
クラシックの音楽では、作曲家がオーケストラを構成する楽器の譜面も考え、演奏家が演奏できる状態まで作り上げることが一般的です。そして、この工程は編曲ではなく「オーケストレーション」と呼びます。
クラシックの文脈で使われる「編曲」は、ポピュラー音楽のものとは違い、既存曲をさらに別の編成で作り上げることです。
例えば、管楽器を中心に演奏されるベートーヴェンの交響曲全集を、リストがピアノ独奏曲(ピアノソロ)として編成を変える、このようなことを編曲と呼びます。
アレンジャーへの依頼がマッチする人は?
- 作成したメロディーに伴奏アレンジをお願いしたい
- アレンジのイメージは湧いているけど、自分では表現出来ない
- 格好いいコード進行にアレンジして欲しい
- 既にある曲の別ジャンルバージョンを作りたい
- ある程度はアレンジしてみたけど、何か物足りない
- アレンジを添削して欲しい
- 楽器のアレンジを専門の人に依頼したい
有名なアレンジャー一覧
こちらの章では、有名なアレンジャーをご紹介致します。
編曲家として活躍している人は、音楽プロデューサーや作曲家の役割も担っている場合が多いですが、ここではアレンジャーとしてご紹介させて頂きます。
(※50音順)
<日本編>
- 島田昌典・・・数々の J-POP を手掛け、日本の音楽業界を牽引する編曲家。aiko の『カブトムシ』、『花火』や、米津玄師『アイネクライネ』などの楽曲を手掛けている。2001年には自身のスタジオ「 Great Studio 」を立ち上げ、楽器や音楽機材など合わせて500点以上も揃えられている。
- トオミヨウ・・・菅田将暉『ラストシーン』やあいみょん『マシマロ』など様々な人気アーティストの楽曲を手掛けるアレンジャー。音楽プロデューサーである須藤晃を父に持ち、幼少期から音楽に触れてきた背景がある。また、ライブやレコーディングのサポートミュージシャンとしても活躍する。
- 松任谷正隆・・・松任谷由実をはじめ、数多くのアーティストの楽曲を担当。いきものがかり『 YELL 』、ゆず『栄光の架橋』など数々の楽曲に携わり、国民的ヒットソングを世に送り出している。また、音楽学校「 MICA MUSIC LABORATORY 」の代表も務め、音楽業界に影響を与えている。
<海外編>
特に海外では、アレンジャーとして役割が分かれていることは少なく、プロデューサーが編曲まで務める場合が多いです。
そのため、ここで紹介させていただく方達は、編曲と共にプロデューサーとしての役割も担っています。
- David Foster(デイヴィッド・フォスター)・・・Whitney Houston(ホイットニー・ヒューストン)『 I Have Nothing 』、Céline Dion(セリーヌ・ディオン)『 Falling Into You 』などの数々のアーティストの作品を手掛ける。1995年には「 143 Records 」というレコードレーベルも立ち上げている。
- Max Martin(マックス・マーティン)・・・Taylor Swift(テイラー・スウィフト )『 We Are Never Ever Getting Back Together 』、Ariana Grande(アリアナグランデ)『 Problem 』などの楽曲を担当。現代の音楽シーンを語る上では欠かせない人物。2015年にはグラミー賞「 Producer Of The Year, Non-Classical (プロデューサー・オブザ・イヤー)」を受賞している。
- Quincy Jones(クインシー・ジョーンズ)・・・マイケル・ジャクソン( Michael Jackson )『 Thriller 』、Frank Sinatra(フランク・シナトラ)『 Fly Me to the Moon 』など数々の名曲を生む、今年90歳になる音楽界の重鎮。
まとめ
以上、今回はアレンジャーについてご紹介しました。
作曲が骨組みだとすれば、アレンジは色付けや装飾といった役割です。
アレンジにこだわることで、よりあなたが表現したい作品を作ることができるでしょう。
アレンジャーに依頼をしたい方は、ONLIVE Studio からプロフェッショナルを探すことができます。是非ご活用下さい。
東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。
Masato Tashiro
プロフェッショナルとして音楽業界に20年のキャリアを持ち、ライブハウスの店長経験を経て、 2004年にavexに転職。以降、マネージャーとして、アーティストに関わる様々なプロフェッショナルとの業務をこなし、 音楽/映像/ライブ/イベントなどの企画制作、マーケティング戦略など、 音楽業界における様々な制作プロセスに精通している。 現在はコンサルタントとして様々なプロジェクトのサポートを行っている。