コード基礎〜基本的なコードの種類、読み方、響きをご紹介!

作曲の幅を広げていくうえで、さまざまなコードの種類を知っておくことはとても大切です。 とはいえ、「コードの種類が多すぎて覚えきれない…!」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 ご安心ください。コードには一定の法則があり、その法則を覚えれば、コードネームを見るだけで構成音がわかるようになります。 この記事では、「コードとは?」という基本的なところから始めて、最終的にはコードネームを見て構成音を理解できるようになるまでを、わかりやすく解説していきます!

Nami
2025-07-166min read

コードとは?

コードとは、3つ以上の音が同時に鳴る「音の重なり」のことで、日本語では「和音」と呼ばれます。

基本となるのは3つの音を重ねた「三和音」で、そこにさらに音を加えたり、一部の音を省いたりすることで、様々な種類のコードが作られます。
一般的によく使われるのは、三和音と、そこに7度の音を加えた「四和音」です。

ルートとは?

コードのことを調べていると、「ルート(根音)」という言葉が出てくるでしょう。
ルートとは、コードを構成する上で基準となる音であり、構成音の中で一番音程が低い音のことです。

例えば、C(Cメジャーコード)の場合、「ド」「ミ」「ソ」で構成されており、ルートは「ド」になります。

このルートは、コードネームからコードを判断する時、また耳コピする時に重要な役割を担っています。

コードネームの表記ルール

実際のコードの種類をご紹介する前に、コードネームの表記ルールについて触れたいと思います。
基本的なコードの表記は、ルートの音+コードのクオリティ(質)+エクステンションで表されます。

コードのクオリティ

コードにおけるクオリティとは、メジャー、マイナー、ディミニッシュ、オーグメントのことのような、コードの響きの質感を表すものです。

エクステンション

エクステンションとは、基本の3和音に加える音のことです。

コードの種類一覧

この章では、コードの種類をご紹介すると共に、そのコードの作り方をご紹介します。

この章を理解する上で、前提知識として、音程(インターバル)の知識が必要です。長3度や完全5度などの単語がよく分からないという方は、以下の記事を参照しながら合わせてご確認ください。

音程(インターバル)とは?〜音楽理論初心者はここから!コード理論に必須の基礎知識 | ONLIVE Studio blog
「音楽理論をきちんと理解していきたい」「まず何からはじめれば良いの?」という方へ。まずはこの記事からご覧ください。音程は、音楽理論の基礎であり、特にコード理論を知っていく上で必須の内容になります。この記事では、音程(インターバル)についてやさしく解説。音程の仕組みをしっかり理解することで、

一般的な3和音(トライアド)コードの種類

※以下、表記例は C をルートにした場合

メジャー 

表記:C
構成音:ルート、長3度、完全5度

メジャーコードは明るい響きを持つ基本的なコードです。様々なコードの基準となるため、最初に覚えることをおすすめします。

マイナー

表記:Cm
構成音:ルート、短3度、完全5度

マイナーコードは暗い響きを持つ基本的なコードです。メジャーコードの真ん中の音を半音下げればマイナーコードを作ることができます。

ディミニッシュ

表記:Cdim
構成音:ルート、短3度、減5度

ディミニッシュコードはどこか怪しげで不安をあおるような響きを持つコードです。これはコード内に「全音3つ分」離れた音(トライトーン)が2組含まれているためです。トライトーンは非常に不安定な音程で、この響きが不穏な印象を与える要因となっています。

オーグメント

表記:Caug
構成音:ルート、長3度、増5度

オーグメントコードは、明るさを持ちつつも、不安定な響きを持つコードです。
オーグメントコードでドラマチックな展開を作ったり、次へ行きたくなる浮遊感を演出することができます。

サスペンデッドコード

サンスペンデッドコードには、以下の2種類があります。

sus4

表記:Csus4
構成音:ルート、完全4度、完全5度

sus2

表記:Csus2
構成音:ルート、長2度、完全5度

サスペンデッドコードは、綺麗で明るく、透明感のあるような響きを持つコードです。
サビ前の期待感や、次に進む印象も持っています。

一般的な4和音コード(セブンスコード)の種類

4和音のコードは、先ほどご紹介した基本3和音に、長7度と短7度、長6度のいずれかを追加したコードです。

以下でご紹介するのはメジャーコード、もしくはマイナーコードに音を追加したコードですが、実際にはディミニッシュコードやオーグメントコードなどにも追加することができ、様々なバリエーションがあります。

メジャーセブンス

表記:CM7(C△7と表記する場合もある)
構成音:ルート、長3度、完全5度、長7度

メジャーコードに長7度を足したコードです。
メジャーコードでありながら、長7度が入ることにより、その印象が少し曖昧になり、どこかおしゃれな響きをもたらします。

マイナーメジャーセブンス

表記:CmM7
構成音:ルート、短3度、完全5度、長7度

マイナーコードに長7度を足したコードです。
暗い響きに加えて、哀しく切ない中にもどこか品を感じる響きをもたらします。

セブンス

表記:C7
構成音:ルート、長3度、完全5度、短7度

メジャーコードに短7度を足したコードです。
このコードは、ドミナントコードといって、非常に緊張感を持つコードで、次へのワクワク感や、グッとくる感じを表現するのに最適で、曲を引き締める上で重要なコードです。

マイナーセブンス

表記:Cm7
構成音:ルート、短3度、完全5度、短7度

マイナーコードに短7度を足したコードです。
マイナーコードよりも暗い響きが和らぎ、どこか洗練された哀愁を表現することができます。

シックス

表記:C6
構成音:ルート、長3度、完全5度、長6度

メジャーコードに長6度を足したコードです。正確にはセブンスコードではありませんが、ここでご紹介させていただきます。
柔らかくて温かみのある響きが特徴です。

テンションコード

テンションコードとは、基本となる3和音(トライアド)や4和音(セブンスコード)に、8度(1オクターブ)よりも高い音程を加えたコードのことを指します。

特にジャズで頻繁に使用されるコードで、響きが複雑で豊かになるのが特徴です。洗練されていて、都会的・おしゃれな印象を与えることができます。

テンションには、以下のバリエーションがあります。

テンション名 音程

  • 9th 長9度
  • ♭9 短9度
  • #9 増9度
  • 11th 完全11度
  • #11 増11度
  • 13th 長13度
  • ♭13 短13度

これらのテンションをどのコードに、どのように加えるか、またどのテンションがどんな響きを生むのかといった詳細については、少し上級者編となるので、別の記事でご紹介していきます。


まとめ

今回は、各コードの種類をご紹介しました。

各コードを知ることで、ドラマチックなコード進行や、ワクワクするコード進行を構築したりすることができます。

この記事をマスターした方は、ぜひ以下のコード進行の組み立て方もトライしてみてください。

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Nami
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Nami

東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。

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