著作権料を受け取るために必要な手続きについて

楽曲が世に出ると、作詞/作曲家には“著作権料(印税)”が発生します。しかし、そのお金は自動的に振り込まれるわけではありません。特に、レコード会社や大手音楽出版社が関与しない"個人間での楽曲提供”の場合、作家自身が正しい手続きをしなければ、印税が"宙に浮いたまま”になる可能性があります。本記事では、個人で活動する作家が著作権料を確実に受け取るための方法を、実務ベースで整理していきましょう。

Yoshihiko Kawai
Yoshihiko Kawai
2026-03-184min read

まず理解すべき「著作権料の流れ」

著作権料は大きく分けて以下のような経路で発生します。

  • 配信(Spotify、Apple Music など)
  • CD販売
  • カラオケ
  • テレビ/ラジオなどの放送
  • ライブ演奏
  • YouTube
  • 店舗BGM

これらから発生する“著作権使用料”は、通常、著作権管理団体を通じて分配されます。日本で代表的なのは、JASRAC と NexTone です。

レコード会社などの案件では、その案件に紐づく出版社が代表出版となり、管理団体への登録も代行してくれるため、作家は契約を結ぶだけで印税が入るケースがほとんどです。

では個人間の案件では、どのようにすれば、印税を受け取れるのでしょうか?

個人間の取引で作家が印税を受け取る方法

方法①:自分で JASRAC の信託会員、もしくは NexTone と信託契約する

最も王道の方法です。手順としては、JASRAC、NexTone に連絡をして、信託会員、信託契約の手続きを行います。その後、自身が作詞/作曲した楽曲ごとに作品届を提出。共作者がいる場合は持分を明確化しておきましょう。代表出版がいない場合は“作家管理作品”として登録することになります。
それぞれメリットはあり、JASRAC の場合は、国内利用(カラオケ・放送・ライブ)を広くカバーしており、分配精度も高いですが、基本は“包括信託”になります。一方、NexTone は、作品単位での管理設計が比較的しやすいのが特徴です。
JASRAC と信託契約を結ぶと、その作品の管理は JASRAC に委ねられます。また、登録をしなければ分配されません。個人活動であっても、商業利用が見込まれるなら非常に有効な選択肢です。NexTone は契約設計の柔軟性を打ち出しており、戦略に応じた管理設計が可能なケースがあります。

方法②:配信アグリゲーター経由で著作権分配

近年増えているのが、配信ディストリビューター経由の方法です。TuneCore Japan や narasu、BIG UP! などで著作権登録を代行してもらえるサービスがあります。これらのサービスで配信を行うと、原盤収益(マスター印税)と一部の著作権収益をまとめて受け取れるケースがあるのです。
メリットとしては、手続きが簡単で、原盤と著作権を一元管理できる点。ただし、すべての著作権使用料をカバーしているわけではない場合もあり、利用条件を必ず確認しておきましょう。JASRAC 等と併用して管理委託することも検討すべきです。

方法③:著作権管理専門会社に委託する

自分で管理するのが不安な場合、著作権管理代行会社に委託する方法もあります。MCJP やアミューズグループが提供する 個人作家向けの著作権管理代行サービスなど。このような会社が、作品登録から分配管理、海外徴収、出版交渉などを代行してくれます。
手続きの手間が大幅に減るとともに、徴収の漏れが起こりにくいのが最大のメリットです。手数料が発生する点や、契約内容の理解が必要なので、その点は注意しておきましょう。しかし、将来的に楽曲数が増える予定があるなら、管理会社の活用は合理的です。

そのほかに考えられる方法

出版社を立ち上げる(自己出版)

法人または個人事業として「音楽出版社」を設立し、自ら代表出版になる方法もあります。これにより、出版社の取り分も受け取れる、海外サブ・パブリッシャー契約が可能になる、ビジネスの幅が広がる、という点で、作家活動を長期的に行うなら、有力な戦略となります。

個人間取引で重要なこと

印税を受け取る以前に、必ずやるべきことがあるので、整理しておきましょう。まず持分の明確化です。作詞○%、作曲○%という配分ですね。こちらは必ず書面(もしくはメール等)で残すことが重要です。また、著作権譲渡の有無も確認しておくこと。利用許諾か? 管理委託か? ここが曖昧だと、将来トラブルになる可能性があります。

結論としては、レコード会社案件でなくても、個人作家でも印税は受け取れます。まとめると以下の方法です。

  • 管理団体に登録する
  • 配信会社を活用する
  • 管理会社に委託する
  • 自己出版する

重要なのは、“作品を作ること”と同じくらい、“作品を登録すること”が大切だという認識を持つことです。音楽は芸術であると同時に、知的財産なので、 正しく管理すれば、楽曲は長期的な資産になります。


まとめ

個人で活動する作家が印税を受け取るためには、本稿で紹介した方法で登録をオススメします。これらを理解しておけば、“個人だから印税はもらえない”という誤解はなくなります。今の時代は、インディーズでも世界配信が可能です。 正しい知識を持つことが、作家の武器になります。

Yoshihiko Kawai
Written by
Yoshihiko Kawai

株式会社Core Creative代表。株式会社リットーミュージックで、キーボード・マガジン編集部、サウンド&レコーディング・マガジン編集部にて編集業務を歴任。2018年に音楽プロダクションへ転職。2021年、楽曲制作をメインに、多方面で業務を行う。2022年、事業拡大のため株式会社Core Creativeを設立。現在は東放学園音響専門学校の講師なども務め、さらなる事業拡大のため邁進中。

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