オンラインにおけるミュージシャンのレコーディング案件受注のプロセスを解説

「これまで培ってきた音楽スキルを仕事として受注していきたいけど、案件はどのように進んでいくの?」とお考えの方も多いのではないでしょうか。 この記事では、オンラインでの音楽スキルを活かした音楽制作案件の一般的なプロセスを解説します。 これから案件を獲得していきたいとお考えの方、必見です。

Nami
2023-06-026min read

一昔前だと、ミュージシャンはレコーディングスタジオまで足を運び、レコーディングに参加する必要がありました。しかし、現在ではレコーディングしたデータのやり取りがオンラインで出来るようになり、受注〜取引終了まで全てをオンラインで完結することも可能です。

step.1受注〜案件内容の交渉

依頼者から仕事の依頼が来た場合、まずは依頼内容の詳細を確認することが大切です。特に以下のことに注意しましょう。

  • 作業内容が予算と見合っているか
  • 自分のスケジュールと照らし合わせて、納期に間に合うかどうか

上記2つを確認するためには、依頼された作業内容をしっかりと把握することが必要です。
例えば、ギター録音の依頼を受けた場合には、楽譜がある場合とない場合で必要な作業量、作業時間が異なります。
仕事依頼を受ける前に必要な作業量を見積もり、それを予算に見合っているか、自分のスケジュールで期日までに納品できるか、ということを照らし合わせることが大切です。


依頼内容に問題がなければ、そのまま仕事を受けることができます。依頼内容に修正が必要な場合は、理由を添えて伝えることで依頼者からの理解を得られる可能性があります。

また、この時点でリテイク(録音物の修正や録り直し)について提示しましょう。
依頼者が納品物を確認した後、「ここをもう少し〇〇のように演奏してほしい」といった修正を求められることがあります。しかし、このような修正を何度も行うことでミュージシャン側の負担が増えてしまいます。
そのため、事前に何回までなら無料でリテイクを行うことができるのか、そしてそれを超える場合には追加料金が発生する旨を伝えておくことが必要です。

step.2作業前の確認

お互い条件の同意が取れたら、仕事を始める前に以下のようなことを確認しておきましょう。
このような部分を確認しておくことで、スムーズな作業、録り直し回避に繋がります。

楽曲の方向性

まずは演奏の方向性を固めるために、依頼主にヒアリングをしていきます。
何に使用される音楽なのか、どのような人に聞いてもらいたいか、などといった曲の背景を知ることで、依頼主の作りたい音楽の意図に沿った演奏が可能になります。

また、この際に重要となるのはリファレンス曲です。
リファレンス曲とは、作り上げる楽曲をどのようなイメージやスタイル、サウンドの方向性にしたいかを共有するために用意された参考曲のことです。
例えば、「明るくて楽しい感じの曲をイメージしている」と一口に言っても、様々な方向性が考えられますよね。そこでリファレンス曲を確認することで、より依頼者がどのような曲に仕上げたいかの具体的なイメージを図ることができます。
リファレンス曲を貰ったら、なぜその楽曲を選んだのか、また、その楽曲の参考にしたい点も合わせて確認しましょう。

依頼者がリファレンス曲を用意していない場合は、自分から「こんな感じはどうですか?」と、提示すると良いです。
このリファレンス、つまり演奏の方向性を固めておくことで、目指すべきゴールが分かるので修正回数を少なくすることができます。

楽曲の基本情報

演奏の録音を開始する前に、楽曲の基本情報を共有してもらいましょう。
このような情報を間違えていると、録り直しになってしまう場合もあります。
減らせる作業はなるべく減らしておくことで作業を効率化し、演奏に費やす時間を増やすことができます。

確認すべき主な基本情報は BPM、コード進行、チューニング kHz 数、サンプルレート、ビット深度、その他譜面や歌詞カードなどです。

チューニングは基本的に440kHzが基準となりますが、管楽器がいると441Hz 、生ピアノだと 442Hz 、その他 432kHz など、特別な場合もあるので依頼主に確認をとりましょう。

一般的には、サンプルレートとビット深度には 48kHz/24bit が使用されますが、依頼主によって異なる場合があります。
プロジェクトファイルのサンプルレートが間違っている場合、別のサンプルレートに変換することで音質が劣化するなど、悪影響が出る可能性があります。そのため、必ずマスタープロジェクトファイルの設定を確認してから録音を進めるようにしましょう。もし間違っていた場合は、録音をやり直す必要があります。

納品ファイルの確認

最終的な納品物は何が欲しいかを確認をしましょう。
一般的には以下のデータを納品します。

  • 自分の演奏を録音したパラデータ
  • 相手が送ってきた音源と自分の演奏をラフミックスしたデータ

例えば、3トラック録音したら3つのパラデータ+ラフミックスを納品します。また、ファイル形式はWAVEファイルでの納品が一般的です。

ラフミックスは、自分の演奏が実際に曲中でどう聞こえるかをイメージしやすくするために共有します。ここでのポイントは、ラフミックスの際に自分が録音したトラックを大きめにして書き出すと、依頼主が確認しやすいです。

その他生音録音やライン録りではなく、キーボードなどといった打ち込みでの依頼の場合は、MIDI データも一緒に納品をお願いされることが多いです。

依頼者によって欲しいデータが異なる可能性があるため、事前に何のファイルをどのような形式で書き出して欲しいかを確認しておきましょう。

step.3作業〜修正

作業に必要なことを確認したら、実際に作業に取り掛かります。
録音が完了したら、依頼者に一度確認してもらい、問題がなければ事前に聞いていた依頼主が求めるファイル形式で必要なデータを書き出して納品します。

依頼者に確認してもらう際は、パラデータは基本的には共有せず、曲全体の雰囲気が分かる2mix で書き出したものを共有すれば充分です。もちろん、依頼主からパタデータも聞かせて欲しいと言われた場合は共有しましょう。

修正が必要な場合は、決められたリテイク回数の中で行います。

step.4納品

修正が完了し、データを納品して問題がなければ取引終了となります。


まとめ

以上、音楽案件受注のプロセスについてのご紹介でした。
事前に内容をしっかりと確認することで出し戻しが減り、依頼者と受注者の双方にとっても負担が軽減されます。

以下の記事では楽器演奏依頼の受注において気をつけるポイントについて詳しく解説していますので、併せてご参考にしてください。

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また、以下はオンラインの案件受注において、必要なものを解説しています。
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Nami
Written by
Nami

東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。

監修

Masato Tashiro

プロフェッショナルとして音楽業界に20年のキャリアを持ち、ライブハウスの店長経験を経て、 2004年にavexに転職。以降、マネージャーとして、アーティストに関わる様々なプロフェッショナルとの業務をこなし、 音楽/映像/ライブ/イベントなどの企画制作、マーケティング戦略など、 音楽業界における様々な制作プロセスに精通している。 現在はコンサルタントとして様々なプロジェクトのサポートを行っている。

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