楽器演奏依頼する場面
そもそも楽器演奏を依頼する場面はどんなものがあるのか、見てみましょう。
レコーディングミュージシャンとして依頼
- 楽器演奏依頼
既存の音源にはないドラムやギターなどの楽器演奏を楽曲に取り入れたい場合。
アーティストがレコーディングする時の楽器演奏や、制作中の曲に取り入れたい楽器演奏の録音依頼などが想定されます。
- パート別アレンジ依頼
上記の楽器演奏依頼に付随して、その楽曲に合うアレンジも依頼する場合。
ライブイベントのサポートミュージシャンとして依頼
- 出演依頼
バンドのサポートメンバー、アイドルのバックバンド演奏、その他イベントや結婚式、会社のパーティでの演奏を依頼する場合。
- パート別アレンジ依頼
上記の楽器演奏依頼に付随して、そのイベントに合うように楽曲のアレンジも依頼する場合。
楽器演奏の依頼先を探す方法8選
こちらの章では、楽器演奏を依頼する人を探す方法を個人で活動されている方が気軽に利用できるものから、事務所が行うものまで幅広くご紹介します。
個人で音楽活動されている方も、事務所に所属している方もぜひご参考にして下さい。
1. マッチングサービスやスキル販売アプリを利用する
マッチングサービスやアプリは音楽を本業としている方も、そうでない方も利用しやすいのが特徴です。
媒体によって特徴があり、登録している人の層も異なるため、自分にあったサービスを利用しましょう。
有名なサービスの特徴をそれぞれ以下にご紹介いたします。
- ココナラ
ココナラは個人が自分の持っている経験やスキルを売買できるサービスです。
スキル販売のサービスとして日本最大級のマーケットなので、スキルの幅が広いのが強みです。音楽に関する出品も豊富で、譜面起こしから仮歌録音など多岐に渡ります。
登録も簡単で初心者の方でも気軽に利用でき、値段設定も幅があるため予算重視という方におすすめです。
注意点としては、サービス出品時の技術的な審査がないため演奏や対応の良し悪しが出品者によって異なるところです。依頼時には口コミやポートフォリオの音源を確認し、必要に応じてメッセージで質問をしましょう。
- ONLIVE Studio
ONLIVE Stdio はミュージシャン、プロデューサー、アレンジャー、エンジニアなど様々な音楽制作のプロフェッショナルと依頼者をマッチングさせるスキルシェアサービスです。
ONLIVE Studio の特徴は、独自の審査に通過した人のみがプロフェッショナルとして登録できるという点です。また、プロジェクトの途中でお相手と連絡が付かなくなったり、トラブルが起きた際は返金に対応しているため、万が一の場合でも安心です。
2. SNSで探す
Youtube や Instagram などの SNS で自分の演奏を公開している人に相談する方法です。
気になる演奏者を見つけたら、演奏依頼を受け付けてくれるか DM で相談してみましょう。
誰でもできる探し方だからこそ、メッセージを送る際には礼儀を忘れないことが大切です。
3. ミュージシャンから紹介してもらう
専門学校時代の同級生や音楽のコミュニティなど、ミュージシャンにはミュージシャンの知り合いが多いので、自分の求める演奏をしてくれる人に出会える可能性があります。
知り合いにミュージシャンがいる方は相談をしてみることも一つの手です。
4. ライブハウスの店長から紹介してもらう
ライブハウスには様々なミュージシャンが出演しているため、店長さんが出演しているバンドの中から紹介してくれる場合があります。
個人で活動している方でも、自分がお世話になっているライブハウスがあれば、相談してみると良いでしょう。普段から出演しているライブハウスであれば、自分のプレイスタイルや作る曲の方向性も知ってもらえているので、自分に合いそうなミュージシャンを紹介してもらえる可能性があります。
また、紹介してもらえるミュージシャンはバンドに所属している人がほとんどなので、バンド活動の片手間で協力してもらえるかを確認しましょう。
5. 専門学校の先生に相談する
専門学校の先生方は、「自分の教え子に活躍してほしい」と言う気持ちがあるので相談に乗ってくれる可能性があります。まだ知られていないミュージシャンを知れるチャンスです。
個人で活動されている方には少し難しい方法ですが、自分が専門学校の卒業生であれば相談に乗ってくれる場合もあります。
6. イベントの主催者から紹介してもらう
ライブイベントの主催者は色んなバンドが出演しているイベントを主催しているので、ライブサポートミュージシャンの情報を知っています。そのため、主催者に紹介してもらうことも有効な手段です。
7. ディレクターから紹介してもらう
個人で活動されている方はそもそもディレクターがいない場合もあるので、こちらの方法は事務所に所属している方向けとなります。
ディレクターの役割の一つに、「レコーディングされた音の品質を担保し、アーティストが求める音楽を制作していく上で必要な演奏スキルを持ち合わせた人をコーディネートする」という役割があります。
そのため、様々なミュージシャンの持っているスキルやプレイスタイルを把握している場合が多いです。
8. コーディネーターから紹介してもらう
音楽業界には、ミュージシャンのコーディネート(斡旋)をする会社があります。
コーディネート先は様々なイベントやライブ、テレビ出演する際のバックバンドや、アーティストがレコーディングする際のスタジオミュージシャンなど。
メジャーメーカーがよく使用する方法で、業界では「インペグ屋」や「コーディネーター」などと呼ばれています。こちらの要望に応じてコーディネートしてくれる分、費用もかさむので、事務所に所属している方向けの探し方です。
依頼前に確認しておきたいこと
依頼内容を明確にする
依頼内容を明確化させておくことは、ミュージシャンとのトラブルを避ける上で大切な事です。
最低限明確化しておきたいことは、作業内容、納品日、報酬です。
楽器演奏と一口に言っても、渡された楽譜通りに演奏する場合と譜面起こしからアレンジまで行う場合では、ミュージシャンの労力や作業時間が異なります。
「この報酬でこの内容だったから引き受けたのに」といったトラブルを避ける為にも、作業内容はどこからどこまでお願いしたいのか、また何を納品して作業を完了とするかなど、なるべく細かく明確化して事前に伝えておきましょう。
上記と合わせていつまでに行って欲しいかという納品日も共有する必要があります。
また、報酬についてはミュージシャンによって一回演奏していくらという買取の方もいれば、「売上の◯%」のように印税形式という方もいます。
実態としてミュージシャンの報酬は買取の場合が多いですが、人によって条件は異なるので、どのような条件なら受注してもらえるか条件確認をしましょう。
まとめ
今回は楽器の演奏を依頼する方法を紹介していきました。
「結局どこで探せばいいの?」と思った方は、自分のイメージする音を得られそうな場所を考えて見て下さい。
例えば、自分の楽曲とマッチする演奏者を見つけたい場合は、自分のスタイルを理解してくれているライブハウスの店長に聞く、また納品速度を重視したい場合はスキル販売サービスを利用する…など。欲しいものを明確にすると自ずとどの方法で探すのが最適かが見えてきます。
初めて依頼する方は「どのように依頼したら良いか分からない」「依頼するのって高そう」など、不安に感じることが多いかと思います。
依頼する際の費用相場やより細かい注意点、確認事項をまとめた記事があるので、こちらも合わせて参考にしてみて下さい。
東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。
Masato Tashiro
プロフェッショナルとして音楽業界に20年のキャリアを持ち、ライブハウスの店長経験を経て、 2004年にavexに転職。以降、マネージャーとして、アーティストに関わる様々なプロフェッショナルとの業務をこなし、 音楽/映像/ライブ/イベントなどの企画制作、マーケティング戦略など、 音楽業界における様々な制作プロセスに精通している。 現在はコンサルタントとして様々なプロジェクトのサポートを行っている。