音楽制作のミックスとは?作業内容や考え方を解説

ミックスは、音楽制作における重要な工程の一つです。普段私たちが聞いている音楽は、全てミキシングされたものになります。今回はミックスとはどのようなものか、ミックスを行うことでどのような効果があるのかをご紹介致します。

Nami
2023-06-025min read

ミックスとは

ミックスとは、楽曲の方向性を加味しながら各トラックの音像や音量を整え、楽曲の魅力を引き出す作業です。
あなたの好きな曲を思い浮かべてみてください。あるバンドが、その曲をギター、ドラム、ボーカルの順で一列に並んで演奏してみたとします。
全ての楽器が同じ方向から聞こえるので音が整頓されず、ボーカルの声が他の楽器でかき消されてしまうことが想像できます。さらに反響する部屋で別の日に録音されたベースの音を一緒に流してみて下さい。音にまとまりが出ず、好きな曲の魅力が活かされていないと感じますよね。
ミックスは、このようなことが起きないように、各トラックを調整して音楽をより聞きやすく調整を行います。

上記の図はミックスで用いられる考え方です。
音を立体的な空間と捉え、なるべく同じ位置に重ならないように、音をどこに配置するかを考えていきます。
また、このような調整を利用してアーティストが求める表現をミックス面からも表現していくこともミックスの工程におけるミッションの一つです。
一曲を通してどの楽器もずっと同じ聞こえ方では、少し飽きてしまう場合があります。どのセクションで楽器をどのように聞かせたいか、ミックスで楽曲をどのような世界観を作るかをアーティストと共に考え、曲を効果的に魅せていきます。

ミックスをすることにより、録音された各トラックが一つの音楽としてまとまりや、ストーリー性を持つため、音楽制作において欠かせない大切な工程です。

では、目的を叶えるためのミックスはどのような作業を行うのでしょうか。
整え方には様々なアプローチがあります。以下の章でミックスで行う主な作業をご紹介致します。

ミックスで行う作業

音量調整

音量調整では、各トラックのボリュームをフェーダーやゲイン、コンプレッサーなどを使用して調整をします。
フェーダーは他のトラックとの兼ね合いの音量調整、ゲインやコンプレッサーはトラック内での音量差の調整をするのに有効です。

音量調整では、音の距離を表現できます。上記の図の奥行きの部分です。

EQ の調整

音は同じ周波数域の音同士を打ち消す「マスキング」という特性があります。
各楽器の音が意図しない形で聞こえずらくなることを避けるために、周波数域の整理を行うこともミックスの作業です。

他の楽器との周波数を被らないように各トラックの主張する帯域を決めて、ここはギターが主役になるように、ピアノの周波数域をギターと被っている部分は音量を抑えるなどのような調整を行います。

PAN の調整

PAN の調整は、音の定位を決める作業になります。図でみた時の左右です。
定位とは、音がどこから聞こえてくるかの方向を示すものです。PAN は楽器が左右のどこから音が聞こえるかを調整します。

空間の調整

ディレイやリバーブをかけ、音がどのような空間で鳴っているかを調整します。図でいうところの奥行きです。

例えば、ギターのみ大きなホールで演奏しているようなくらい強いリバーブがかかっていて、一方でベースがしっかりと吸音された部屋で演奏したような音ではややアンバランスを感じます。(あえてそのような効果を狙うことも可能性としてはあります。)
各楽器を狙った空間で演奏しているような演出をするために調整を行います。

マスターの調整

各トラックを調整した上で、最終的な調整として全体に EQ やマキシマイザーをかける場合もあります。
マキシマイザーとは、音圧を上げることができるエフェクトです。

ミックスを行う前の前提

Photo by Stephen Harlan / Unsplash

音楽制作には様々なプロセスがありますが、各工程のクオリティを限界まで高くした状態で次の工程に進むことが、良質な音楽の仕上がりに繋がります。

世界一のバリスタにコーヒーを淹れてもらっても、その豆が酸化していたらコーヒーは美味しく仕上がらないのと同じで、技術の高いエンジニアに依頼をしても、元の素材が整っていないと、仕上がりには限界があります。
ミックスの工程に進む前に、レコーディングで適切な REC が出来ているか確認しましょう。

歌ってみたの MIX 師とは

MIX 師とは主に「歌ってみた」界隈で呼ばれる呼び方で、歌ってみたとして投稿される音源を MIX する人のことです。

「歌ってみた」は既存曲のコピーのため、主にボーカルの録り音とカラオケ音源の調整をします。調整にはボーカルのピッチ調整やエフェクト調整も含まれることがほとんどで、歌い手の歌ってみた作品をより魅力あるものに仕上げるために一躍買う存在です。
中にはパラデータを取り扱う MIX 師もいますが、2mix データとボーカルデータをミックスするよりも作業量が増えるため、料金を高めに設定している場合が多いです。
依頼したい内容をどれくらいの料金で行ってもらえるかは、依頼時に確認しましょう。

ミックス時に必要なデータとは

ミックス時に最低限必要なものは、以下の3つです。

  • パラデータ
  • 各々のオーディオデータをどのように並べれば良いかわかる指示書
  • ミックスのリファレンス

それぞれ解説していきます。

パラデータとは、それぞれのトラックをオーディオデータとして書き出したファイルデータのことです。データ形式は基本的にはWAVE ファイルが多いです。
この記事でご紹介した通り、ミックスの作業は各データごとに調整を行っていきます。そのため、パラデータがないと作業することが出来ません。

通常は、各々のパラデータを全て頭出しに合わせるだけで曲として流れるように調整してからエンジニアに渡す必要があります。
しかし、そのような処理が難しい場合は、ボーカルは一小節目から、ギターは五小節目からなどの並べ方がわかる指示書を合わせて共有しましょう。

ミックスのリファレンスとは、アーティストが求めるミックスの方向性がわかる具体例の役割をする曲のことです。
ギターのサウンドはこの曲のように仕上げて欲しい、ボーカルの響きはこの曲ように仕上げて欲しい、など。このような共有があることで、エンジニアはアーティストがどのように曲を仕上げていきたいか理解がしやすくなります。

また、理想的なリファレンスの一つとして、自分の曲のラフミックスを共有することもあります。
ラフミックスとは、エンジニアに依頼する楽曲をあらかじめ簡単に自分でミックスしたもので、どのタイミングでどのような処理を行って欲しいかなどをエンジニアに理解してもらいやすくする方法です。
ラフミックスを共有した上で、自分の力では表現しきれなかった部分をより正確に伝えるために既存曲のリファレンス曲を提示するのが良いでしょう。

ミックスを依頼したい方へ

「ミックス作業を自分でするには、時間も労力もかかるため大変」「ミックスをしてみたものの、自分の技術では表現しきれないものがある」などを感じた方は、ミックスを外注するのも一つの手です。

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Nami
Written by
Nami

東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。

監修

Masato Tashiro

プロフェッショナルとして音楽業界に20年のキャリアを持ち、ライブハウスの店長経験を経て、 2004年にavexに転職。以降、マネージャーとして、アーティストに関わる様々なプロフェッショナルとの業務をこなし、 音楽/映像/ライブ/イベントなどの企画制作、マーケティング戦略など、 音楽業界における様々な制作プロセスに精通している。 現在はコンサルタントとして様々なプロジェクトのサポートを行っている。

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