サブウーファーとは?
サブウーファーとは、低周波数の再生に特化したスピーカーのことです。
私たちの耳の可聴域は、一般的に 20Hz 〜 20kHz といわれていますが、一般的な家庭用のスピーカーでは低音域の再生が弱くなる傾向にあります。
サブウーファーは一般的に 100Hz 以下の低周波数の再生を担い、低音域の再生をサポートしてくれます。
サブウーファーの必要性
モニター環境の向上
サブウーファーを導入することにより、低音域の音を確認しやすくなります。
低音を出力するためには、物理的に大きなスピーカーが必要となり、その分金額も大きくなるため、金銭的にも部屋のスペース的にも導入ハードルがあります。
例えば、モニタースピーカーの定番である YAMAHA の HS5 の周波数特性は、54Hz 〜 30kHz です。さらに低音域になるにつれてその出力は弱くなる傾向にあります。
このような場合は、サブウーファーを導入することで、弱くなった低音域の再生をカバーすることが可能です。
超低音域は「音」というよりも身体で感じる振動に近いです。HIP-HOP や EDM などの重低音が重要になってくるジャンルでは特に、この低音域が聴こえるかどうかは大きな違いになるでしょう。
音質の向上をするクロスオーバー
サブウーファーを導入することで、副次的に中高音域の再生も向上します。
これは低音域をサブウーファーにまかせ、その他の中高音域をメインのスピーカーに振り分ける「クロスオーバー」という機能によるものです。
クロスオーバーによって、メインスピーカーは低音域にエネルギーを使用する必要がなくなり、効率的に中高音域を再生できるようになります。そのため、サブウーファーを導入すると低音域のレンジが広がるだけでなく、全体として音質が向上する傾向にあるといわれています。
ホームシアターや空間オーディオ(LFE)
サブウーファーの役割として LFE というものがあります。
LFE (Low -frequency effect)とは、5.1ch などのサラウンドシステムにおける低音域のチャンネルです。
この使い方は、 Dolby Atmos をはじめとした空間オーディオを再生する際に使用されます。
DTM のモニターとしてのサブウーファーの繋ぎ方
1.オーディオインターフェースの LINE OUT から、サブウーファーの INPUT に LR で接続します。
2.サブウーファーの OUTPUT からスピーカーの INPUT に LR でそれぞれ接続します。
3.RCA タイプのコネクタを使ってサブウーファーの LINE OUT とスピーカのINPUT のLRで接続します。
※ LFE として使用する場合、接続方法が異なります。今回の記事では、LFE としての使用については触れません。
クロスオーバーとは
「サブウーファーの必要性」の章で、クロスオーバーについて少し触れました。
サブウーファーにクロスオーバーが搭載されているものを「パッシブタイプ」と呼びます。
一方、チャンネルディバイダーと呼ばれる、周波数帯によって信号を分けて送ってくれる機材を別途使用する「アクティブタイプ」のものがあります。
アクティブクロスオーバーは、接続が複雑になるものの、より精密な音の分配が可能で、プロフェッショナルなオーディオ環境で好まれています。
サブウーファーの設置場所
低音域を担うサブウーファーは指向性がないとされています。
これは、人間の耳が低周波の定位を聞き分けられないできないからです。
サブウーファーは壁に対して斜めに置くと良いでしょう。中央に置くと、壁に音が反射して音が消えてしまいます。
また、サブウーファーは壁に近く設置します。
例えば、Genelec の公式HPでは、最大60cmと記載があります。
GENELEC モニターの設置方法
人気のサブウーファー
YAMAHA / HS8S
定番のモニタースピーカーである YAMAHA のHSシリーズとの組み合わせで使用している方も多いです。
8インチのウーファーで、22Hz 〜 160Hzと、低音域のサポートを行ってくれます。
オープン価格で、サウンドハウスでは 52,000 円(税込)となっています。(2024/11月現在)
YAMAHA ( ヤマハ ) / HS8S スタジオ用サブウーファー サウンドハウス
JBL / LSR310S
JBL LSR310S | 10インチパワードスタジオサブウーファー JBL
10インチのウーファーで、27Hz までの低域を再生可能です。
オープン価格で、サウンドハウスでは 59,800 円(税込)となっています。(2024/11月現在)
※2024/11/14現在、セール中で 39,800 円(税込)で販売されています。
JBL ( ジェービーエル ) / LSR310S サブウーファー サウンドハウス
GENELEC / 7000シリーズ
GENELEC の 8000シリーズとの相性が良いサブウーファーで、30Hz 〜 90Hz の低音域を担います。
上記の2つよりもお値段が上がりますが、その品質には定評があります。
独自のベースマネージメントシステムを導入しており、低音域のクリアな再生にアプローチしています。
オープン価格で、サウンドハウスでは 148,500 円(税込)となっています。(2024/11月現在)
GENELEC ( ジェネレック ) / 7050CPM パワードサブウーハー サウンドハウス
まとめ
以上、今回はサブウーファーについてご紹介しました。
モニター環境を向上させたい方は、是非取り入れてみてはいかがでしょうか。
取り入れる際の注意点としては、騒音問題です。
低音は高音よりも防音が難しく、音が伝わりやすいです。
ライブハウスやクラブの近くの音漏れをイメージすると、想像しやすいでしょう。キックの音だけドンドン...と漏れて伝わっています。
ご自身の再生環境を加味して、音があまり出せない場合は、まずは吸音材や反射剤、スピーカーの設置場所を改めて確認するのも良いでしょう。
東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。