
IV - V - IIIm - VIm(4536)進行とは?

IV - V - IIIm - VIm(4536)進行とは、その名の通りディグリーネームで考えた時の、IV - V - IIIm - VIm という進行のことです。
それぞれダイアトニックコードの4番目、5番目、3番目、6番目のコードなので、「4536」と表されていることもあります。
また、C メジャーキーの場合は、F - G - Em - Am となります。
こちらからコード進行の響きを確認できます。
IV - V - IIIm - VIm 進行の特徴
J-POP で頻度高く使われている
この進行の特徴は、その名の通り J-POP において王道的に使用されるコード進行ということです。
日本人に好かれるコード進行で、数多くの J-POP におけるヒット曲に使用されています。
一説によると、この進行は80年代に流行したユーロビートという音楽ジャンルの影響が大きいとされています。
現代の洋楽でも全く使用されない訳ではないですが、 J-POP よりは頻度は高くありません。そのため、日本の印象を抱かせるコード進行として海外の音楽系 YouTuber に紹介をされています。
David Bennett Piano - Japan's favourite chord progression and why it works
ちなみに、別名王道進行とも呼ばれており、この名前は音極道という音楽家の方が命名したのだとか。
切なげな雰囲気
Ⅳ - Ⅴ - Ⅲm - Ⅵm 進行は、前半の IV と V のメジャーコード、後半の IIIm と VIm のマイナーコードで構成されています。
メジャーコードの明るさ、マイナーコードの陰りを感じることができ、ドラマチックでありながらも激しすぎず、どこか切なげな印象です。
また、V は I に進みたがる特性がありますが、ここでマイナーを持ってきて期待を裏切ることによって、ドラマチックな展開が生まれます。
その進行の特徴から、NHK Eテレの音楽番組である『亀田音楽専門学校 SEASON 2』にて、亀田誠治さんはこの進行のことを「小悪魔コード進行」と名付けていました。
永遠に続いていくような印象
IIIm → VIm は4度上へ進行しているため、ここもスムーズな進行を促す理由の役割を担っています。
Ⅳ - Ⅴ - Ⅲm - Ⅵm 進行を使用している楽曲
この章では、王道進行とも呼ばれる IV - V - IIIm - VIm 進行が使われている楽曲をご紹介いたします。
楽曲は場所によって違うコードを使っている箇所もあります。そのため、動画リンクで Ⅳ - Ⅴ - Ⅲm - Ⅵm 進行が使用されている部分を秒数指定してあります。ぜひ流して聞いてみて下さい。
J-POP
※コード進行は筆者が独自に解釈したものであり、必ずしも作者の意図や公式のものと一致するとは限りません。
- Official髭男dism『 subtitle 』
キー:Gb
コード進行:B - C# - A#m - D#m - G#m - C# - F# - F#7 - C7(b5)
ディグリー:IV - V - IIIm - VIm - IIm - V - I - I7 - bVm7(b5)
- ano『ちゅ、多様性。』
キー:B
コード進行:E - F# - D#m - G#m - E - F# - B
ディグリー:IV - V - IIIm - VIm - IV - V - I
- HoneyWorks『可愛くてごめん feat. ちゅーたん(CV:早見沙織)』
キー:D
コード進行:G - A - F#m - Bm - G - A - D
ディグリー:IV - V - IIIm - VIm - IV - V - I
あいみょん 『君はロックを聴かない』
キー: G
コード進行:C - D - Bm7 - Em7 - C - D - Ddim - Em
ディグリー:IV - V - IIIm - VIm - IV - V - Vdim - VIm
- YOASOBI 『怪物』
キー:E
コード進行:A - B - G#m - C#m - A - G#m - G#/C - C#m - Bm - E
ディグリー: IV - V - IIIm - VIm - IV - IIIm - III/V# - VIm - Vm - I
洋楽
- Taylor Swift 『 Cruel Summer 』
キー:A
コード進行:D - E - C#m - F#m
ディグリー: IV - V - IIIm - VIm
- Mariah Carey 『 We Belong Together 』
キー:C
コード進行:FM7 - G - Em - FM7
ディグリー:IVM7 - V - IIIm - IVM7
- Bruno Mars, Anderson .Paak, Silk Sonic 『 Leave the Door Open 』
キー:C
コード進行:FM7 - G/F - Em7 - Am7
ディグリー:IVM7 - V/IV - IIIm - VIm
Bruno Mars, Anderson .Paak, Silk Sonic - Leave the Door Open [Official Video]
まとめ
今回は Ⅳ - Ⅴ - Ⅲm - Ⅵm (4536)進行についてご紹介しました。
この王道進行には、日本人が好む響きがあるようですね。
覚えたコード進行は、作曲に取り入れることで、自分の中にインプットすることができます。
まずはこの進行を使って、一曲作ってみてはいかがでしょうか。

東京出身の音楽クリエイター。 幼少期から音楽に触れ、高校時代ではボーカルを始める。その後弾き語りやバンドなど音楽活動を続けるうちに、自然の流れで楽曲制作をするように。 多様な音楽スタイルを聴くのが好きで、ジャンルレスな音楽感覚が強み。 現在は、ボーカル、DTM講師の傍ら音楽制作を行なっている。 今後、音楽制作やボーカルの依頼を増やし、さらに活動の幅を広げることを目指している。